NSWは2023年9月12日、音声認識によるハンズフリー操作が可能な産業用スマートグラス「RealWear」に、Azure OpenAI Serviceを搭載した、対話型作業支援ソリューションのトライアルを開始すると発表した。
RealWearは現場作業者と遠隔地とのコミュニケーションや、音声操作での資料の確認などが可能。製造現場やフィールドサポートにおける遠隔支援で多くの企業が利用している。
産業用スマートグラス「RealWear」
今回トライアルを始める対話型作業支援ソリューションは、社内に蓄積されたノウハウやマニュアルなどの社内ドキュメントを元に、現場作業者に適切な情報を提供する作業支援サービス。企業独自の情報を予めAIに学習させることで、作業者からの音声での問いに、熟練者に代わり対話をするように適切な回答を返す。
本サービスのイメージ
セキュリティ面に関しては、マイクロソフトが提供するAzure OpenAI Serviceを利用することにより、回答の元となる情報は企業ごとに構築されたテナント内で保有される。そのため、情報漏洩などのリスクを回避し、セキュリティ・データガバナンスを高水準に保ったまま、生成AIを業務に取り込むことが可能としている。
NSWは、設備保全や製品サポートでの活用を想定。今後、ChatGPTの最新モデルGPT4の採用により回答精度が大幅に向上し、さらにRealWearで撮影した写真などの画像データを取り込むことも可能となる見込みだ。
遠隔支援で、作業者と熟練者の対話や動画のやり取りをAIが自動的に学習し、ノウハウとして蓄積したり、現場作業者の音声メモ、撮影した写真から、AIがレポートの自動生成やワークフローの入力項目の抽出を行うといったことが可能になるとしている。