NTTグループの日本情報通信は2023年6月23日、対話型GPT-4のWebクライアントアプリを自社で開発し、6月中旬より全社員への提供を開始したと発表した。
社員の業務効率と生産性の向上を目指す取り組み。これまでは同社社員が大規模言語モデルであるGPT-4を利用する場合は、社員が個別に月額20ドルのChatGPT Plusを契約していた。今後はAPIを活用し、Webクライアント経由で全社員がGPT-4を利用できるようになったという。また、入力データが学習用データとして転用されることなく、安全に利用できるとしている。
また、この全社員へのWebクライアントの提供に伴い、Generative AI利用ガイドラインの整備、Googleアカウントによるユーザー管理、GPT-3.5とGPT-4との両バージョンの会話形式でのメッセージ送受信の取り組みを行い、対話型Webクライアントアプリの活用を促進するという。最後の取り組みによって、社員はリソース効率の高いGPT-3.5と、高度なタスクに対応可能なGPT-4の両バージョンを用途に合わせて選択できるようになった。
今後の機能拡充を通じ、社外への提供も視野に入れているという。
同社では2023年4月に社内のGoogle チャットからAPIを利用したGPT ChatBot(powered by GPT-3.5)を全社展開したが、チャット型では高度な回答を得られなかったという。対話型Webクライアントアプリの開発により、扱えるデータ量やパラメータが大幅に増え、プロンプトに対してこれまでより創造的な応答や長文でのテキスト生成や複雑な指示への回答が可能となり、さらなる社員の生産性向上や業務改善が実現可能になったとしている。
また、発表資料では、GPT-3.5からGPT-4へのアップグレードにより安全な応答をするための対策が強化され、AIの不正確な情報の生成(ハルシネーション)が19~29%低下し、より正確な回答が得られるようになったとも述べている。
GPT-3.5とGPT-4の比較
同社はリモートワークによる勤務が約8割であり、社員間のコミュニケーションが以前からは大きく変化している。そのため、対話型Webクライアントアプリは、社員の業務の質を高め、より高度な業務へシフトするために活用できるとしている。