2022年9月に、幼稚園の送迎バスに3歳の女の子が置き去りにされて死亡する事故が発生。これを受け、2023年4月に、置き去り防止を支援する安全装置の設置が義務化された。
車載カメラ映像のAI解析によって、この置き去り防止を支援するのが日本鋭明技術の「スクールバスソリューション」だ。人物を検知するAIカメラで乗客席を確認。夜間でも赤外線で検知することが可能だ。置き去り児童を発見した場合には、異常発生アラート等で通報する。
児童置き去り防止機能による検知の様子
同ソリューションは、この児童置き去り防止機能のほか、ドライバー見守りカメラや車両前方カメラで異常をAI検知して事故を防止する機能も搭載。ニーズに応じて、必要な機能を選択して活用することが可能だ。説明員によれば、「送迎用バス置き去り防止支援安全装置」に対する補助金制度にも認定されており、導入の加速が期待される。
日本鋭明技術ブースでは、実際の車両で各種AI機能を確認できる
タクシーの忘れ物、居眠り運転、スマホ使用もAIが検知
日本鋭明技術はこのほか、タクシーや営業車両など様々な商用車向けにAIカメラを活用したソリューションを展開している。同社ブースで紹介されていたもう1つが、タクシー安全運転ソリューションだ。
ドライバー見守りカメラ(黄色の円)
運転席に設置したAIカメラ(上写真)は、ドライバーの居眠りや、運転中のスマートフォン操作等を検知。運行管理者に、その映像とともに異常発生を通報する。映像のAI解析は車内のレコーダーで行い、異常を検知した場合のみ、その前後の映像をLTEで送信するので通信量が抑えられるのが利点だ。
異常検知の条件を柔軟に設定できる点も特徴だ。停車中はスマホを操作しても問題はないので、走行速度のデータと連携して「時速10km以上のときだけスマホ操作を通報する」といった設定が可能だ。
後部座席のカメラ映像による忘れ物検知のデモ
また、後部座席には「忘れ物検知カメラ」も設置できる。これも、乗客が置き忘れたスマートフォンや財布、バッグなどをAIが自動検知(上写真)。降車した乗客にすぐに伝えることができる。後から忘れ物を発見した場合は、乗客に届ける間は営業ができなくなってしまうが、そうした機会損失の防止に役立つ。
同社のブースでは、商用車の安心安全を守り、運行管理を効率化する最新型のAIドライブレコーダーも展示されている。安心安全な運行を実現するためのAI活用、その最新動向が知りたい人は必見だ。