NTT東日本/西日本は2023年4月28日、4月3日に発生した通信障害について、その原因と再発防止策を発表した。
通信障害の影響は16都道府県に及んだ。光アクセスサービスとひかり電話などの通信サービスが利用しづらい状況が約1時間40分続き、全44.6万もの回線が影響を受けた。
(左から)NTT東日本 執行役員 ネットワーク事業推進本部 副本部長 島雄策氏、NTT西日本 執行役員 設備本部 サービスエンジニアリング 部長 桂一詞氏
今回の現象が発生した原因について、「加入者収容装置のマルチキャストの内部処理において、ソフトウェアの不具合が内在していたことが原因」と、NTT東日本 執行役員 ネットワーク事業推進本部 副本部長の島雄策氏は説明した。マルチキャストは大容量および多数の拠点へデータ配信する際に用いられるが、このマルチキャスト通信をする際に、加入者収容装置内のパケット転送部が不具合を起こし、再起動・切り替わりを繰り返したという。
通信障害が発生したメカニズム
このような通信障害の再発を防止するため、島氏は3つの対応策を掲げた。1つ目は、「通信機器メーカーとの新たな連携体制構築」だ。具体的には、装置が再起動を起こさないようにするための「フェイルセーフ機能」の共同検討を進めていくという。2つ目は、「リスク体制の強化」だ。「検証内容の妥当性について、開発部門以外の第三者組織でリスク評価する組織を整備していく」(島氏)。3つ目は、「マルチキャスト通信に関する検証強化」だ。コンテンツ配信サーバからの通信状況を可視化できる仕組みを導入するとのこと。
島氏は、「NTT東日本/西日本は、重要インフラである通信サービスを提供する企業としての社会的責任を果たしていく。通信サービスの確実的・安定的な提供に今後も務め、同様の事象を発生させることがないよう、再発防止に努めていく」と語った。