―― LTE時代に始まったモバイルコアの仮想化に続き、現在は5G RANの仮想化とオープン化が着々と進んでいます。これにウインドリバーがどのように貢献してきたのか、これまでの実績について教えてください。
ポール・ミラー氏(米ウインドリバー CTO。以下、ミラー) 我々は通信業界に何十年も関わってきました。モバイルコアのNFV(ネットワーク機能仮想化)が実現された頃からOpenStackを活用した仮想化プラットフォームを提供し、そして今はコンテナベースのプラットフォームによるRANの仮想化へと軸足を移しています。
ウインドリバー 最高技術責任者(CTO)のポール・ミラー氏
コアのNFVとvRANは「まったく異なる」
―― コアとRANでは、仮想化の要件は異なりますか。
ミラー 仮想モバイルコアを運用するクラウドはせいぜい数カ所で、しかもそれぞれ独立していました。対して、基地局は地理的に分散しており、それが1000以上もあるような複雑なインフラを運用するには、OpenStackもKubernetesも不十分です。
この問題を解決するために我々が始めたのが、オープンソースプロジェクトの「StarlingX」です。エッジにクラウド環境を展開するためのコンテナプラットフォームであり、1000を超える基地局サイトを一元管理できます。また、仮想RAN(vRAN)をゼロタッチでエッジにデプロイできるようにしたことで、人手を介することなく1000以上のサイトを展開できるようになりました。可用性についても、通信業界で求められる99.999%以上の成果を挙げています。