企業ネットワーク最前線

なぜ、三井不動産リアルティの「iPhone&MDM同時更改プロジェクト」は成功したか

文◎太田智晴(編集部) 2015.06.24

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

三井不動産リアルティの本社がある
東京・霞が関ビルディング

スマートフォンの企業導入が本格化してから数年――。「もうそろそろ機種変更」という企業は多いだろう。だが、大量導入したスマートフォンのリプレースは“大仕事”。頭を悩ます企業は少なくないと思うが、三井不動産リアルティの場合、3500台のiPhoneの切替をわずか2週間で完了。さらに同時にMDMも刷新した。スムーズにリプレースできた理由は何だったのか?

約300拠点・約3500台への配布を2週間で完了

それからの動きは早い。

MDMについては、すでに有力候補があった。日本マイクロソフトの「Microsoft Enterprise Mobility Suite(EMS)」である。前述の課題をクリアできるうえ、iOSからAndroid、Windowsなど多様なデバイスを一元管理できるのが魅力だった。さらに三井不動産リアルティは、マイクロソフト製品を数多く採用しており、それらとの親和性の高さも採用の理由となった。

ただ、1つ不安だったのは、「MDMを変更しても大丈夫かどうか」である。

三井不動産リアルティでは、キッティングからMDMの運用管理、ユーザーサポートに至るまで、iPhoneの運用全般をKDDIにアウトソースし、サービスとして提供を受けている。

そこで正式な検討開始に先立つ1月30日、KDDIのSE2名と一緒に日本マイクロソフト本社を訪問。「KDDIのSEの方もおそらく、『MDMを入れ替えて平気かな』という気持ちがあったと思うのですが、実際にハンズオンで触ってみて、『これなら、やれます』と。以前のMDMのときも、KDDIの運用スキームにはないMDMをこちらのリクエストで組み込んでもらいましたが、とても柔軟性というかチャレンジ精神があると思いますね」(齊藤氏)

 

約300拠点・約3500台への配布を2週間で完了

情報システム部でMDMの検証作業などが進む一方、総務部のほうでは約3500台のiPhone 6の円滑な配布に向けた準備が慌ただしくなっていく。

一口に3500台といっても、三井不動産リアルティの場合、「三井のリハウスの店舗など、拠点数は全部で300弱ありますから大変です」と総務部 総務グループ グループリーダーの長田裕二氏は説明する。しかも、ただ発送すればいいのではない。個々の社員用にキッティングされたiPhone 6を間違いなく届け、さらに古いiPhone 4Sを回収する必要もあるのだから大仕事だ。

 

総務部 総務グループ グループリーダー 長田裕二氏 総務部 総務グループ 喜多村千春氏
総務部 総務グループ グループリーダー
長田裕二氏
総務部 総務グループ 喜多村千春氏



iPhone 6のスムーズな配布に向けて、担当者が抽出したクリアしなければならない課題は約30項目。

例えば、納品日から機種変更作業完了までを4~6日と設定し全社員にアナウンスを行ったため、出張等により当該期間ではiPhone 6を受け取れない社員に個別対応する必要があった。結果として3500台中70台程度の個別対応が必要となったが、事前にKDDIとどういったケースでどのような対応をするかの切り分け作業を行えていた。

また、機種変更後のiPhone 4S端末を回収する必要があったため、iPhone 6納品とiPhone 4S回収を兼ねたリストを作成し、関係者間(KDDI・総務部・各拠点)で情報共有できるようにした。これらの課題すべてについて、KDDIと担当者が協議し、一緒に解決策を考えていったという。

そして、社内へのiPhone 6の配布作業は3月19日にスタート。周到な事前準備の結果、その約2週間後の3月30日にはすべてのiPhone 6の納品が完了した。

以下のが今回のプロジェクトの主なスケジュールだが、「3500台のキッティング作業がたった2週間で終わったのも、すごいこと。iPhone 6への切替は、非常にスムーズに行えました」と長田氏は評価する。

 

表 iPhone 6およびMicrosoft EMSの導入スケジュール

1月30日 日本マイクロソフトの品川本社でMicrosoft EMSのデモ見学
2月5日 EMSの導入検討開始
2月7日 検証環境でのEMSの検証開始
2月10日 三井不動産リアルティ、KDDI、日本マイクロソフトの3社で検証結果を踏まえた導入までの課題整理
2月13日 3社による課題に対する対応策の協議
~24日 各社にて対応策の立案
3月2日 iPhone 6のキッティング内容の確定
~6日 各種マニュアルの作成
3月9日~ iPhone 6のキッティング開始
3月19日 iPhone 6の社内への配布開始
3月30日 iPhone 6の配布完了

 

スペシャルトピックスPR

necaspire
moconavi1807
sun1807

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】IoTの大冒険! 海、山、体内へ
<海のIoT>ワイヤレスIoTで漁業は成長産業に/光無線で水中高速通信/オールジャパンで船舶IoT <山のIoT>LPWAがキラー技術に <体内のIoT>インプラント型無線センサーで生体IoTに新時代到来

◆[インタビュー] NTT西日本 小林充佳社長「地域に“変化”起こす先駆者へ」 ◆働き方改革とWeb会議 ◆過疎地の固定電話は「無線」で ◆NTTドコモのデータ分析の歴史 ほか 

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

Big Switch Networksウンザリする運用管理とサヨナラ

大量のスイッチを個別に設定・管理する従来型NW運用を、Big Switch NetworksのSDNで革新しよう!

ユニアデックス次世代のネットワーク運用とは?

先進企業はもう始めている「Big Cloud Fabric」によるネットワーク運用変革を事例に学ぶ。

リボン・コミュニケーションズ多様なリアルタイムコミュニケーションでシームレスな通信を実現!

SBCを強みとする2社が合併して誕生したリボン・コミュニケーションズ

SAS Institute Japanデータ解析、もうやり尽くしたと思うのはまだ早い

さらなる品質改善やコスト削減を実現したあの先進企業とは?

潜伏する脅威をAIが検知!
産業用制御システムやIoTも守備範囲

日商エレクトロニクスのセキュリティ対策が“新ステージ”に突入する!

リボン・コミュニケーションズTeamsの電話機能にいち早く対応
UCを狙ったサイバー攻撃対策も

Microsoft TeamsとPSTNをつなぐリボン・コミュニケーションズ

UNIVERGE Aspire WX電話やUC機能を全方位にカバー
中小企業の多様な働き方を強力支援

NECが5年ぶりの中小向けキーテレフォン「UNIVERGE Aspire WX」

F5ネットワークスセキュリティやGi-LAN仮想化など
モバイルインフラの強化に貢献

5G移行を控えた今、F5ネットワークスはどんな価値を提供できるのか?

moconavi今いる場所がオフィスになる!
moconaviで安全なモバイルワーク

場所を問わない新しい働き方の実現には、ICT環境の整備も不可欠だ。

サンテレホンサンテレホンがICT総合展示会
ビジネス伸ばす製品群が一堂に

東京ドームシティ・プリズムホールで7月18・19日開催!

アクセスランキング

tc1809
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます