通信事業者のビジネスの根幹を担うシステムにBSS(業務支援システム)とOSS(ネットワーク運用支援システム)がある。BSSなどで顧客管理や料金計算、督促などを行いながら、ネットワークの運用を自動化し、CRMなどとも連携させながら通信事業者はビジネスを運営している。
しかし、これらのシステムは3Gのできた2000年代に構築されたものが多く、レガシー化が指摘されている。さらに、「各システムをマルチベンダーで構築していることから、データの共有やインテグレーションの難易度が高くなり、DXの足枷になっている」とCircles.Life(サークルライフ) 日本カントリーマネージャーの鈴木洋平氏は指摘する。
通信事業者が抱える課題
サークルライフはシンガポール発のMVNO。「店舗を持たず、オンラインに特化したB2C向けの通信事業が特徴」と鈴木氏は紹介する。サークルライフはシンガポール以外にもインドネシアなどに進出し、設立数年で黒字化を達成した。
その特徴は、「カスタマーレイヤー、オペレーションレイヤー、BSS、OSSなど、業務に必要な一連の機能が、クラウドのプラットフォーム『Circles-X(サークルX)』で1つになっていることだ。これらのデータを1か所のデータレイクに集められるため、分析・検証・活用のサイクルを回しやすい。変更も迅速に可能で、例えば当社のユーザーは1分で料金プランの手続きが完了する」と鈴木氏は語る。クラウドにすべての要素があることから、無償のアップデートでどんどん新しい機能を使えるようになるのもCircles-Xの魅力だという。
同社は近年、自社でも使っているCircles-Xを、他の通信事業者へ提供するB2Bビジネスも展開。日本でもKDDIの子会社であるKDDI Digital Lifeが採用している。KDDI Digital Lifeは基本料0円から利用可能な柔軟な料金体系を実現する「povo」ブランドを、同社のプラットフォームを活用して運営している。展開のスピード、柔軟性などが評価されたという。
Circles-Xのイメージ
「当社のソリューションは、導入効果がコストメリットやNPSなど数字ではっきりわかる点も強みだ。フルパッケージを使うことによるメリットは大きい。通信事業者の抱える大きな課題に応えるソリューションだと自負している。まずは日本での知名度上昇を目指したい」と鈴木氏は意気込んだ。