格安スマホのイメージが強かったMVNO(仮想移動電気通信サービス)で、今IoT向けの回線需要が増加している。オプテージの法人向けモバイル通信サービス「mineo法人」もIoTでの利用が広がっているという。
「例えば自社製品に通信機能を組み込んで提供したり、あるいは機械設備の稼働監視をするための通信手段として利用したり、最近は1社で数千回線規模の導入をされるお客様も増えてきました」とオプテージ ソリューション事業推進本部 パートナー営業部 法人パートナー営業チームの吉内元基氏は説明する。
mineo法人のメニューは大きく、インターネット接続と閉域接続の2つのタイプに分かれる。接続先がインターネットクラウドで、かつ価格を抑えて利用したい場合はインターネット接続、高度なセキュリティを求めるなら閉域接続といったように、用途に合わせて様々なプランから選択できる。
3キャリアから選べるSIM 閉域では一部帯域確保も用意地域の電子マネー・ポイントカードシステムを提供するあるカード会社は、決済端末にmineoのSIMを採用。ポイントや決済情報をインターネット接続でクラウドにアップロードしている。au、ドコモ、ソフトバンクのトリプルキャリアから選べるため、導入する店舗ごとに電波の入りやすいキャリアが選べること、他社と比べて通信コストが安価なことなどが導入の決め手になった。
産業用途での引き合いも増加している。例えば、スマートグラスを活用する遠隔モニタリングシステムとセットで提供するモバイルルーターに、mineoのSIMが採用されている。トリプルキャリアが利用できる特徴に加え、通信頻度に合わせて大容量のプランも選べることや、迅速な納品が可能だった点が採用の理由だ。
「当社の営業担当がついている場合、キャリア種別とサービス品目にもよるが1オーダーにつき約500回線以内であれば、お申し込みから最短で5営業日以内で納品できます」(吉内氏)
閉域接続の「VPN-SIM」は、au・ドコモの2キャリアから選択可能。また、閉域用に、SIMに割り当てるプライベートアドレスレンジをユーザーが指定することもできる。「VPN-SIMで2キャリアの冗長構成を組み、金融機関の移動店舗の通信手段として利用されているケースもあります。また、MVNOのSIMはベストエフォートのものが多いですが、VPN-SIMでは一定の品質を確保したいユーザー向けに、全mineoユーザーの中から最優先で一部帯域を確保するオプションも用意しています。デリケートなデータを確実に流したい場合などに使えます」と同チームマネージャーの中植昌樹氏は話す。
(左から)オプテージ ソリューション事業推進本部 パートナー営業部 法人パートナー営業チーム チームマネージャー 中植昌樹氏、同チーム 吉内元基氏
「主にネットワークカメラの映像伝送などに選ばれています。mineo法人は最低利用期間の縛りがなく、極端な話、1日だけでも利用できるので、スポーツイベントの中継などでも使われています」(中植氏)
なお、mineo法人は5G(NSA方式)にも対応しており、5Gを用いた実証実験などにも利用可能だ。