そこで、今回の実証実験では理論上いかなる計算能力を持つ第三者(盗聴者)でも解読できないことが保証されている唯一の暗号通信方式である量子暗号通信の金融分野への適用可能性について、国内で初めての検証を実施した。
共同検証のシステム構成の概要図
また、テストケースにおいては証券会社の株式業務で1日に伝送される取引メッセージ(FIXメッセージ)のデータ総容量、及びその数十倍のデータ伝送量をそれぞれ想定した場合に計測される応答時間について、高速OTP、SW-AES、COMCIPHER-Qの計3種類の暗号化方式の違いによる影響について検証を行った。
これらののいずれかの暗号化方式を用いることで、(1)量子暗号通信を適用しても従来のシステムと比較して遜色のない通信速度が維持できること(2)大量の株式取引が発生しても暗号鍵を枯渇させることなく高秘匿・高速暗号通信が実現できることを確認できたという。