エリクソンが年に2度発行している「エリクソン モビリティレポート」は、モバイルトラフィックや加入数の傾向・予測、同市場の注目トピックなどをレポートしている。その最新版(2021年11月版)の発行に合わせて、エリクソン・ジャパンが2021年12月21日に説明会を開催。CTOの藤岡雅宣氏が最新のモバイル動向と2027年までの予測等について解説した。
3G/4G/5G等の「方式別の世界のモバイル加入数」については、現在がLTE加入のピーク(47億加入)であり、5G加入数は2021年末で6億6000万に達する見込みだ。モバイル加入数全体(81億)でみると、5G加入数はその約8%になる。
湾岸諸国が「5G先進国」に
これが逆転するのは2026年頃になる見込みだ。2027年には5G加入数が全加入数の約49%を占める44億に達するとエリクソンは予測している。
現状について「モバイル全体の8%」と聞くと少なくも感じるが、「5G加入数の立ち上がりは、4Gよりもかなり早い」と藤岡氏は指摘した。LTEサービスの開始時点に比べて、5Gの加入数は急速に伸びており「4Gよりも2年早く加入数が10億に達する」見込みだ。
エリクソン・ジャパン CTOの藤岡雅宣氏
地域別に見ると、2021年時点で5G加入数が先行しているのは北米(全モバイルのうち20%)と、日本を含む北東アジア(同24%)だ。ただし、西欧とGCC(湾岸諸国)の勢いも目覚ましく、2027年にはこの2地域が北東アジアを抜き、5G加入の割合が80%を超えると予測している。
北米は2027年に全モバイル加入のうち90%が、北東アジアでは72%が5Gになる見込みだ。