SPECIAL TOPICオートメーションを通して「人に優しい」通信インフラを実現するシスコの構想

長らくオペレーターのスキルと手順書に頼ってきた通信インフラの運用だが、5Gをはじめとする新技術の普及とユーザニーズの変化に伴ってトラフィックが増加し、また複雑化が進んだ結果、自動化は避けられない状況だ。シスコでは4つの原則と、それを支えるソリューションを通して通信インフラの自動化を実現し、人に優しい運用を実現しようとしている。

手順を気にせず、自動運用を実現する「Cisco Crosswork」 こうした思想の下、シスコが通信事業者向けに提供する、運用のライフサイクル全体をカバーする自動化ソフトウェアポートフォリオが「Cisco Crosswork」だ。

Cisco Crossworkは、モバイルや無線なども含めたインフラストラクチャそのものに加え、ネットワークの状態を監視する「収集」、それらのデータを分析し、時に機械学習技術も活用して有益な知見を引き出す「分析」、その知見に基づいて適切な状態となるよう操作したり、問題を修復したりする「アクション」、そして新たに最適な設定やオーケストレーションを行う「実装」といった領域で構成されている。この一連のクローズド・ループに加え、日々の運用を支援するシステムや事前の設計・プランニングやテストを行うソフトウェアも含めた、包括的なソリューションだ。

図表2 Cisco Crosswork – ネットワーク運用ライフサイクルの次世代化を実現する
自動化ソフトウェア
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図表2 Cisco Crosswork - ネットワーク運用ライフサイクルの次世代化を実現する 自動化ソフトウェア

これらはシスコが提供するオンプレミス向けのソフトウェアやクラウドアプリケーションに加え、さまざまなサードパーティ製アプリケーションとも連携して動作する、オープンなアーキテクチャを採用している。

Cisco Crossworkの中核的なコンポーネントが「Cisco Network Services Orchestrartor」(Cisco NSO)だ。一言で言えば「ネットワークインフラにさまざまな設定を投入するオーケストレーター」だが、モデリング言語「YANG」を採用し、個々の機器だけでなくネットワーク全体の設定・操作が行える、いわば「ネットワークOS」を提供できることが特徴だ。

Cisco NSOは100を超えるマルチベンダーの機器に対応し、ベンダーに依存することなくネットワーク全体のオペレーションを実現できる。同時に、個別のデバイスを設定・操作するだけでなく、ネットワーク全体のサービスとして抽象化するフレームワーク「サービスモデル」を備えていることもポイントだ。

たとえば、これまで「VPNを使いたい」といった場合には、個別の機器に手順書に沿ってさまざまな設定を投入する必要があった。だが Cisco NSO を利用すれば、上位のサービスモデルで「VPNを利用したい」と指示するだけで、Cisco NSOが必要な設定を各機器に投入してくれるため、細かな手順を気にする必要がない。階層化もサポートしており、まさに「ネットワーク自動化の原則を体現するソフトウェアです」(佐々木氏) 。

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