6Gに向けてDCCの普及に注力講演では、6Gに向けたインテルのビジョンや方向性についても紹介された。
堀田氏は「端末が必要な情報を正確に届けるというネットワークの土管的な役割は4G・5Gで確立された」と指摘したうえで、「今後はネットワーク・エッジや地域データセンターのように、データを発生源により近い場所で処理するようになる」と見通しを語った。
ガートナーは、2025年にデータの約75%が従来のクラウドやデータセンター以外で生成されるようになると予測している。すなわち、膨大な量のデータがエッジや先端の機器から生まれるようになる。
そうした中で、インテルは2019年頃より「DCC: Distributed Connected Computing(分散コネクテッド・コンピューティング)」を提唱している。
「6GではAIのさらなる進化により、データと通信が自動的に統合され、エッジ同士もつながるようになる。ネットワークのQoS制御もデータセンターやクライアントなどを一括して自動的に行えるようになる」
6Gではデータと通信が自動的に統合されると予測する |
インテルはDCCを普及すべく、エコシステムの構築や標準化に注力している。
具体的には、IOWN構想の実現を目指す国際的なフォーラム「IOWN Global Forum」をNTTやソニーと共同で設立。EUにおける6Gプロジェクト「Hexa-X」のメンバーにも参加している。
また、無線アクセス・ネットワークのオープン化を推進するO-RAN Alliance、オープンソースのコンテナ・プラットフォームKubernetes、オープン・ソフトウェアのDPDKなど、オープンな環境に対する投資にも積極的だ。インテルならではの中立的な立場を活かし、標準化活動にも貢献することで、策定された要件に合わせた製品を作ることをモットーにしているという。
堀田氏は「お客様のネットワークを変革するとともに、製品やソリューションを一緒に作っていく。製品をご理解いただくより、『上手く使えそうな会社』と思っていただきたい」と話し、講演を締めくくった。