NTTドコモは2010年11月8日、次世代の携帯電話の通信規格であるLTE(Long Term Evolution)を利用した新サービス「Xi」(クロッシィ)を12月24日から提供すると発表した。
Xiは、「高速」「大容量」「低遅延」という3つの特徴を有する。当初は、一部の屋内施設でFOMAの通信速度の約10倍となる下り最大75Mbps(上り最大25Mbps)で、屋外やその他のエリアでは下り最大37.5Mbps(上り最大12.5Mbps)でのデータ通信サービスを提供する。音声通信サービスは2011年度中に提供する予定だ。
LTEサービス「Xi」の概要を説明する山田隆持社長 |
東京・大阪・名古屋地区の一部地域からサービスを開始する。その後、2011年度中に県庁所在地級都市、2012年度中に全国主要都市へエリアを拡大する計画だ。Xi対応エリア外では、国内ではFOMAハイスピード、海外ではWORLD WINGにより利用できる。
端末はFOMAとのデュアル対応であるデータ通信専用カードを投入。まず、12月24日にUSB型の「L-02C」を発売、2011年4月には「世界初」となるExpress Card型の「F-06C」を発売する予定だ。また、Xi版Wi-Fiルーターを2011年度早々に、音声にも対応した汎用端末を2011年度後半に投入する予定だ。
USB型端末「L-02C」とExpress Card型端末「F-06C」 | 「L-02C」を挿入したノートPC |
「今後の高トラフィック対応はLTEで」
料金プランは2つ。2年契約の「Xiデータプランにねん」は、0~3177KBが月額1000円(税込み、以下同)、3177KB超~20667KBが1KBごとに0.315円加算、20667KB超~5GBが6510円だ。「Xiデータプラン」は、0~3177KBが2470円、3177KB超~20667KBが1KBごとに0.315円加算、20667KB超~5GBが7980円となっている。
毎月の利用が5GBを超えた場合は、2GBごとに2625円が加算される。ユーザーの希望により、5GB到達時に通信をストップすることも可能だ。山田隆持社長は「FOMA契約者の99.6%のお客様が5GB以内で利用しているので、ほとんどのお客様には影響しないと考えている」と語った。
「Xiデータプランにねん」の月額料金は5GBまで6510円 | 2012年4月30日まではキャンペーン料金で5GB超でも月額4935円が上限となる(「Xiデータプランにねん」の場合) | NTTドコモは、5GBでできることを、具体的に数字で示した |
なお、12月24日~2012年4月30日までは「Xiスタートキャンペーン」として、「Xiデータプランにねん」は4935円、「Xiデータプラン」は6405円が5GB超の場合も含め、月額上限額となる。山田社長は「たくさんのお客様に使ってもらいたいので、加入しやすい料金にした」と説明した。
山田社長はさらに、「LTEはHSPAよりも周波数利用効率が3倍よいので、今後の高トラフィックに対しては、原則LTEで対処したい」との方針を示し、「2014年度で約3万5000局、人口カバー率70%を目指す」と語った。当面の加入数については、「初年度(2011年3月末)で数十万くらいではないか」との見通しを語った。