IoT住宅もニューノーマルへ 家が仮想体験のプラットフォームに

コロナ禍の中、あるIoT住宅のモデルハウスが多くの業界から注目を集めた。大和ハウス工業の様々なバーチャル体験ができるスマートハウスだ。リモート化が進む今、スマートハウスが提案する新たな価値とは。

大和ハウス工業は今年6月、コネクテッドホームブランド「Daiwa Connect」のコンセプトハウスとして、IoTを活用した戸建住宅のモデルハウスを神奈川県藤沢市の「セキュレアシティ藤沢翼の丘」にオープンした。(現在は公開終了)

2018年から一般販売を開始した「Daiwa Connect」は、スマートスピーカー「Google Home」を使った音声による家電制御をいち早く打ち出すなど、IoT住宅の先駆けとして知られている。今回のコンセプトハウスでは、新たに「家族の健康」「建物の健康」「コミュニケーション」の3つをテーマに掲げている。大きな目玉はIoT空間「(仮称)α-rium(アルファリウム)」だ。プロジェクター2台を使用し、壁面に大画面を投影。テレワークや遠隔診療、遠隔授業、バーチャルでのスポーツ観戦、フィットネス、トラベルなどのデモ体験ができる。

(仮称)α-rium(アルファリウム)、(仮称)α-board(アルファボード)

「コロナ禍で住宅の中で過ごす時間が増えており、住宅の在り方が変わっていくと考えた。今まで自宅には、家族が集まってバーチャルな体験ができる場はなかった。思い切って壁を2面使い、臨場感のある空間を提案している」と大和ハウス工業の兎子尾健司氏は説明する。

もう1つの目玉が「(仮称)α-board(アルファボード)」と呼ばれる、ダイニングに設置した50インチのタッチパネルモニターだ。電力の使用状況や建物の状況確認、IoT機器の制御などのインターフェースとして利用するほか、家族間のコミュニケーションにも役立てる。例えば、カレンダーアプリで家族のスケジュールを共有できたり、画面全体がホワイトボードになり、手書きのメッセージを書き込こんだりすることも可能である。

「大きなスマートフォンのようなイメージだ。食事中など、家族で団らんしながら予定を立てたり、コミュニケーションができたりするツールを目指している。家族で撮りためた写真をランダムに表示したり、『1年前にこういったところに行ったよね』といった思い出アルバム的な見せ方もできるのではないかという提案をしている」(同社 齊藤邦久氏)

この他にも、顔認証で家族を認識し、個人ごとの健康情報を表示、蓄積できる「IoTミラー」や、AIアシスタント機能を備えた自走式ロボット、家庭の電力使用状況などが分かる「D-HEMS4」など最新のデバイスやシステムをふんだんに盛り込んだ。

月刊テレコミュニケーション2021年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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