「配線自体が無理」でも諦めない! 最終手段は無線ブリッジこれらのソリューションでも対応できないケースもある。建物と建物間に道路があるなど、ケーブルが敷設できない場所だ。だが、諦めるのは早い。そのような環境でIPカメラを設置し、離れた拠点から映像モニタリングしたいという場合に活用したいのが、無線ブリッジである(図表2)。
図表2 DLB5-15acによる無線ブリッジのイメージ
「DLB5-15ac」はIP65防水保護等級に適合した屋外用の製品で、雨ざらしになる場所でも設置可能。最大の特徴は、「免許申請がいらない周波数帯を使っていること。周波数帯は5GHzを採用しており、IEEE802.11a/n/acで接続する」(川辺氏)。約10cm角というコンパクトな筐体にアンテナが内蔵されており、「場所も取らず、取り付けも簡単」と森池氏。また無線の設置で苦労することも多い角度合わせが容易にできるよう、同製品の本体の側面にインジケータが付いている。なお、2.4GHz帯のモデルも用意しており、環境に応じて選択可能だ。価格も1台約6万円と安価である。
離島や山間部など、さらに長距離を結ぶ用途向けのソリューションとして、屋外用長距離無線ブリッジ「PTP 670シリーズ」もリリースしている。通常のWi-Fiとは電波干渉しない4.9GHz帯を使用することで、長距離でも安定した高速伝送が可能になるという。
IP67(防水防塵仕様)にも対応。九州の自治体が離島間でケーブルテレビ映像配信とインターネットサービス提供用として活用するなど、導入実績もある。「実験では40km離れた拠点での通信も実証できた。速度は35Mbpsで、十分使えることを確認している」と無線通信機器事業部 事業部長の松井仁志氏は語る。ただ同製品は、総務省への登録申請が必要だ。
今後はWi-Fi6にも対応していくとし、「来年には、近距離用に60GHz帯を使用したプロダクトもラインナップしていく予定」(松井氏)だ。1Gbpsを超える高速通信が可能になるという。
(左から)ハイテクインター 営業部 部長 森池信也氏、無線通信機器事業部 事業部長 松井仁志氏、プロダクト技術部 部長 川辺治郎氏
プライベートLTEも準備 セキュアな閉域通信網を安価にハイテクインターでは自営設備で実現するプライベートLTEシステムも用意している。「『移動しながら映像を送りたい』『映像伝送にインターネット回線を使いたくない』というニーズに応えるため」と松井氏は語る。
プライベートLTEを活用すれば、インターネットを経由しない自前の閉域通信網が構築できるため、よりセキュアな映像伝送が可能になる。しかも100万円以下(基地局、SIMカード、子機の最小構成の場合)で実現できるというから驚きだ。他社の場合、基地局だけで数百万円はかかるというので、圧倒的な低価格を実現している。「最大同時接続は32。そのほかにも機能を絞ったことで、小規模な企業でも導入しやすい価格に抑えることができた」と明かす。映像伝送のみならず、PHSの置き換えとしても需要が高まっているという。
今回紹介した製品はほんの一部で、同社にはほかにもIP映像伝送にかかわる「困った」を解決するプロダクトを多数用意している。ネットワークや映像伝送に課題を抱えているのであれば一度、相談してみるのが得策だろう。
<お問い合わせ先> ハイテクインター株式会社 TEL:03-5334-5260 E-Mail:info@hytec.co.jp URL:https://hytec.co.jp/ |
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