NTTドコモの法人新戦略に迫る(1)NTTドコモ大嶋常務が語る“法人事業3つのポイント”

NTTドコモの法人事業戦略に迫るシリーズ連載。第1回は、NTTドコモ常務で法人事業部長を務める大嶋明男氏に、ドコモの法人戦略の全体像を聞いた。

――NTTドコモでは法人ビジネスを成長分野の1つと位置づけており、「2012年度に向け法人シェアの更なる拡大」という目標を掲げています。法人事業部として会社からは何を期待されているのですか。

大嶋 成長、つまり新規の需要をどれだけ獲得できるかということです。市場が伸びている分、成長見合い以上の契約数をしっかり確保することが求められています。

では、これから何に取り組んでいくのかというと、まずはドコモの法人ビジネスのブランドを確立することが一番大きなテーマだと思っています。08年10月に「Mobile Driven Solutions――ドコモでビジネスが加速する」というスローガンを策定しましたが、これはドコモの法人ビジネスが質の高いソリューションを提供していることを概念的にアピールする狙いがありました。

法人営業では従業員規模や業種、活動拠点などに応じて、アカウント体制を分類しています。それぞれの体制でお客様のビジネスの課題を深く認識・理解した上で、モバイルを中心としたトータルソリューションを提供することにより、ビジネスの拡大や新しい価値の創造を手助けしていくことを目標にしています。

――具体的にどのようなソリューションがあるのですか。

大嶋 例えばBtoBtoCでは、携帯電話で遠隔から家電操作や施錠ができる「ケータイホームシステム」があり、大手ハウスメーカーの住宅などに導入されています。これはホームコントローラーとして宅内にサーバーを設置するのですが、これからはスマートグリッドの電力見える化などにも貢献していきたいと思っています。いわば将来を見据えた布石といえます。

また、ドコモの強みは、契約していただいているお客様の数が多いことであり、携帯電話市場の約半分を占めています。この母集団の大きさを利用したのが「プレミアパネル」です。5000万人以上いるiモードユーザーにアンケートを送ってニーズを調査したり、関心のあるユーザー向けにDMを送付するなどプロモーションにも展開できます。すでに化粧品メーカーなどコンシューマー製品を扱う企業に採用していただいています。ドコモの強みを有効に活かせる手段であり、今年あたり大きく花開くのではないかと期待しています。

最近では、スマートフォンもソリューションの有力ツールとして期待されています。ご要望に沿ったセキュリティをしっかり組み込める点で、法人のお客様にはWindows Mobileが好評です。同様にBlackBerryもセキュリティへの信頼感から一定のステータスを確保しています。今後はAndroidもラインナップが充実してくるでしょう。これらをバランスよく提供していこうと考えています。

月刊テレコミュニケーション2010年10月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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