有線給電ドローン無線中継システムは災害発生時に携帯電話のサービスエリアを迅速に復旧させることを目的としたもの。地上に設置した無線中継装置(親機)と、ドローンに搭載した無線中継装置(子機)で構成されている。双葉電子が開発したドローンをベースに、ソフトバンク、東京工業大学および双葉電子が共同で有線給電対応に改装した後に、ソフトバンクと東京工業大学が共同開発した無線中継装置と有線給電システムを搭載した。ドローンの飛行と搭載した無線中継装置(子機)に必要な電力を、地上から有線給電することで長時間の運用を可能にしている。
中継システムの構成イメージ |
従来、無線中継システムは係留気球型が使われていたが、現地到着後半日程度の準備時間が必要だった。今回のシステムは地到着後1時間以内で運用を開始できるという。ドローンを地上100メートルに停留飛行させることで、親機と子機間の中継距離を10キロメートル、サービスエリアを郊外地では半径3キロメートル以上、見通しの良いエリアでは半径5キロメートル以上確保可能としている。
また、2020年6月22日に電波法関係審査基準が改正され、ドローンに無線中継システムを搭載して運用できるようになった。今回のシステムは正された電波法関係審査基準に準拠する仕様で、災害時や遭難救助およびその訓練時に使用できるという。