「電話やタブレット、PCといった携帯端末以外に、Bluetoothの搭載が広がっている」
Bluetooth SIG マーケットデベロップメント シニア・ディレクターを務めるチャック・セイビン氏は、オンライン形式で開催された記者説明会でこう述べた。2015年時点では電話/タブレットやPCを除くBluetooth搭載端末の割合は全出荷台数のうち33%に過ぎなかったが、2019年時点では過半数に到達。2024年には66%となり「比率が逆転する」と予測した。
Bluetooth SIG マーケットデベロップメント シニア・ディレクターのチャック・セイビン氏
Bluetooth搭載デバイスの総出荷数も大きく伸びる。これまでもBluetoothが多く採用されてきたワイヤレスイヤホンやポータブルスピーカーといった「オーディオストリーミング」分野に加えて、センサーをはじめとするIoTデバイスへのBluetooth搭載が加速。同氏によれば、「38%のIoTデバイスが現在、Bluetoothを搭載しており、これはすべての無線通信技術の中で最大」という。
さらに、位置情報サービスや、スマート照明その他の自動化システムへのBluetooth搭載が進展。2019年に46億台を記録した年間出荷台数は、2024年には62億台まで増加するとの見通しを示した。
Bluetoothデバイスの年間出荷台数の予測
補聴器対応やマルチキャストが可能な新規格「LE Audio」
このようにBluetoothが活用される領域は多岐にわたっており、セイビン氏は主要分野を4つに分けて、それぞれの展望について説明した。
4つの主要分野
1つめは、これまでBluetooth関連市場の成長を支えてきたと言えるオーディオストリーミングだ。この領域の年平均成長率は7%と予測。2024年の年間出荷台数は15.4億と見込んでいる。
注目ポイントとしては、新規格である「LE Audioが新たな市場機会をもたらす」と話した。
オーディオ関連機能を強化する「LE Audio」
LE Audioとはその名の通り、ワイヤレスイヤホンやヘッドセット等で使われるBluetoothのオーディオ関連性能を強化した次世代技術。補聴器対応機能や、複数デバイスで音楽を共有して楽しむためのマルチキャストが行える「オーディオシェアリング」機能が追加されているという。
2つめの「データ転送」分野の年平均成長率は13%を見込む。ウェアラブル端末のほか、玩具へのBluetooth搭載が進展すると予測した。