大日本印刷(DNP)は2020年3月26日、5G対応の透明フィルムアンテナを開発したと発表した。
透明なフィルム上に、目に見えないほどの微細な金属配線をメッシュ状に形成。視認性を損なうことなく、室内の壁や天井、窓ガラスやクルマのフロントガラス、スマートフォンのディスプレイや大型モニターなどにアンテナを設置できるという。
透明アンテナフィルムの主なユースケース
5Gで新たに用いられるミリ波帯の電波には、従来のマイクロ波と比較して近傍製品の影響を受けやすいためアンテナ設置場所の自由度が低い、その一方で電波の直進性が強いためアンテナの設置数を増やす必要があるという課題がある。
DNPが今回開発した透明アンテナフィルムは、意匠性を損なうことなく、様々な場所や製品にアンテナを設置できるため、ミリ波のこうした課題を解決できるという。
DNPは透明アンテナフィルムを様々な企業に提供し、2022年度に量産開始。2025年度に年間100億円の売上を目指す。
透明アンテナフィルムの拡大写真。金属材料の選択と形状設計により、
メッシュを視認できない線幅にしても、アンテナに適したシート抵抗(2.5Ω/□)を実現できるため、
5G対応製品のアンテナとして充分な性能を発揮できるとのこと