2019年7月18日、ソフトバンクグループのプライベートイベント「SoftBank World 2019」において代表取締役会長兼社長 孫正義氏が基調講演を行い、「AIによって人類の進化が加速」するとしてAIの重要性を強調した。
ソフトバンクグループ 代表取締役会長兼社長 孫正義氏
講演の冒頭で孫氏は、人類はこれまで様々な物事を推論しながら進化してきており、その推論に欠かせないのがデータだと説明。インターネット上に流れるデータ量はこの30年間で100万倍になっており、同氏はIoT、クラウド、自動運転車の普及などによってデータ量がこの先の30年間でさらに100万倍になると予測
2018年から今後30年でインターネットトラフィックは100万倍になると予測
データによる推論が人類の進化の鍵だという
そうした膨大なデータを人間が自ら処理することはほぼ不可能になり、今後はAIが分析・推論するようになるという。「AIは、これまで人間が勘と経験と度胸に頼って行ってきた意思決定に変わって、より科学的でよりデータに基づいた推論をする。それによって人類の進化はさらに加速する」(孫氏)
AIは適材適所に
また、AIに何もかもやらせようというアプローチは間違っており、人間もAIも適材適所が重要だと指摘。AIは現時点では「プリディクション(予想、予測)に最も適している」と断言した。具体的には、在庫回転率の上昇、マーケティングや販売、プロモーションに役立つとし、AIを活用した企業の例として中国の中古車eコマースプラットフォームの瓜子二手車やタクシー配車プラットフォームDiDiを挙げた。
瓜子はAIの活用によって在庫回転率を従来の4倍に向上
DiDiは配車効率を40%上昇させた