OKI 経営企画本部イノベーション推進部 部門長の藤原雄彦氏 |
5Gは4月に米国および韓国で商用サービスが開始され、日本でも今夏よりプレサービスが始まる。
5Gの実用化により期待されるのが、様々なデータをエッジ領域でリルタイムに処理し、フィジカルにフィードバックする高度IoT社会の実現だ。
OKIは高度IoT社会に向けて、特に「交通」「建設/インフラ」「防災」「製造」「金融・流通」「海洋」の6分野に注力している。すでに約70社とパートナーを組み、実証実験に取り組んでいる企業も約40社にのぼる。基調講演では、OKIのソリューションを活用した具体的な事例が紹介された。
高度IoT社会では様々な社会課題の解決を目指している |
このうち建設/インフラは、「ICTが遅れているといわれてきた分野だが、国土交通省のi-ConstructionによってICT化が加速している」と藤原氏は指摘する。
OKIの「フライングビュー」は魚眼カメラを使い、360度の映像をリアルタイム合成して自由な視点から映像を見ることを可能にするモニタリングシステムだ。
OKIはコマツとともに、このフライングビューを活用して建設機械を遠隔制御する実証実験を行っている。従来のモニタリングと違い、「死角のない、自由視点で建機をモニタリングすることが可能になり、安全な操縦の支援ができる」と藤原氏は述べた。
防災は、大規模な自然災害が各地で多発しているため、OKIでは「非常に重要な分野」(藤原氏)と位置付けている。
「DPS Core」は、地域状況の見える化・高度な防災マネジメント・効果的な応急対応で構成されるOKIの総合防災ソリューション。国土交通省との実証実験では、超音波センサーを搭載した水位計を使って河川の継続的な監視を行い、氾濫などのリスクを早期に捉えることで被害を最小限にとどめることを目指す。河川では電源が使えないことを考慮し、水位計には太陽電池が用いられている。安価で提供していることもあり、すでに多くの自治体で導入されているという。