「“プレ”と言っても、正式ローンチと同じようなサービス・ソリューションを実現させるぐらいの意気込みだ。皆さんとも、今年の9月からでもスタートしたい」
2019年9月から始める5Gのプレサービスに向けて、NTTドコモは3月8日、都内でイベント「5G BUSINESS CAMP」を開催。同社 代表取締役社長の吉澤和弘氏は、来場者にこう訴えた。
同イベントの狙いは、パートナーとの5Gを活用したソリューションの協創拡大と、そのビジネス化の加速。イベントでは講演のほか、5Gを活用した各種ソリューションやユースケースのアイデアに関する展示が行われた。
例えば、NECの「スマート街路灯」は、高画質カメラやWi-Fiスポット機能、LEDによるサイネージ機能などを搭載。画像認識により、通行者の年齢層や男女も判別できるという。また、サン電子の「AceReal」は、現場作業を支援するARスマートグラス。5Gの低遅延性を活かし、迅速に現場作業者向けの情報を表示する。
NECの「スマート街路灯」 | サン電子のARスマートグラス「AceReal」 |
半年後のプレサービスに向けて、協創の具体的準備を本格化「いろいろなアセットの準備には、最低半年は必要になる」
プレサービス開始の半年前に、同イベントを開催した理由について、NTTドコモ 取締役常務執行役員の古川浩司氏はこう説明した。
ドコモの5G導入スケジュール
ドコモは、5Gの新しい利用シーンを幅広いパートナーと創出するため、5Gに関する情報提供やパートナー同士のマッチング、検証環境などを提供する「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」を2018年2月から始めている。
しかし、同プログラムに参加する企業・団体の数はすでに2300を超えており、「なかなか個別には手が届かなかった」(古川氏)という。
そこで、5G BUSINESS CAMPでは、「ネクストアクションシート」というアンケート用紙を来場者に配布。イベントで紹介した5Gのユースケースのアイデアや具体的なソリューションのうち、「興味のあるものに丸を付けていただいて、できればプレサービスから一緒にやらせていただきたい」(古川氏)。
今回のイベントを機にプレサービスに向けて、パートナーとの具体的な議論・取り組みを一気に拡大・加速させたい考えだ。4月1日には「5G・IoTソリューション推進室」も設置し、全国への営業支援体制も強化する。
ドコモは、5Gを活用したソリューションを提供するパートナーを「ソリューションパートナー」、5Gサービスを自社の課題解決に利用するユーザーを「フィールドパートナー」と呼んでおり、ソリューションパートナーの数は現在16社。
「プレサービスのときから、しっかり使えるソリューションを提供できるようにする」と吉澤氏は強調した。
現在のソリューションパートナー