もはやデータは“センター”にはない。ワークロードの分散化が加速している。新しいデータセンターアーキテクチャを考えなければならない――。
シスコシステムズが2019年2月6日に開催した記者説明会の冒頭、米Cisco Systemsのコンピューティング、データセンター マーケティング担当シニアディレクターを務めるトッド・ブラノン氏はそう切り出した。
データが生成、処理、使用される場所はどんどん広がっている
かつてデータセンターに集中していたデータは、今やあらゆる場所で生成され、それを利用するアプリケーションも様々な場所に分散している。5G/IoT時代に有望視されるエッジコンピューティングの普及も、それに拍車をかける。ブラノン氏は、データセンターを巡る状況が「劇的に変わってきている」と述べた。
このような環境を、シスコは「Data Center Anyware」というビジョンで表している。データセンターは一定の場所に固定されたものではなく、データが生成、処理、使用されるあらゆる場所に存在しており、これに対応する新たなアーキテクチャを提供していくという。
そこで今回、発表されたのが次の3つだ。(1)ACI Anywhere、(2)HyperFlex Anywhere、(3)CloudCenter Suiteである。
Cisco ACIをAWSとAzureへ拡張
米Cisco Systems コンピューティング、データセンター マーケティング担当
シニアディレクターのトッド・ブラノン氏(左)
シスコシステムズ データセンター/バーチャライゼーション事業担当
執行役員の石田浩之氏(右)
1つめの「ACI Anywhere」とは、シスコが2014年にリリースしたデータセンター向けSDNソリューション「Cisco ACI」を、前述のようにデータが存在するあらゆる場所に拡張する取り組みだ。