ブロードバンドタワーが東京大手町に「5Gを意識した」新データセンターを開設

2010年8月27日、データセンター事業者のブロードバンドタワーは東京・大手町エリアに新たに開設した「新大手町サイト」の開所式を行った。同年9月1日から運用を開始する。


ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長 CEOの藤原洋氏(左)と
データセンター統括グループ ディレクターの神坂慶介氏

同社によれば、新大手町サイトは第5世代移動通信システム(5G)時代のインターネットインフラを支える拠点となることを目指して開設したものだという。日本のインターネット・通信回線拠点であり、金融機関や情報通信事業者などが集積する大手町地区に立地する点が最大の特徴だ。代表取締役会長兼社長 CEOの藤原洋氏は、「日本のオフィス街の中心であり、金融、情報通信業界の本社機構が集結している場所。このフィジカルなロケーションと、国際情報通信の拠点というネットワーク上のロケーションが見事に一致した特別な場所だ」と、新大手町サイトについて表現した。

設備面でも、重要ビジネスの拠点としての要件を備えるべく、約72時間分の発電機給電設備を備えるなど災害対策を充実させている。万が一の水害に備え、通常は地下に設けられる特高電気室も4階に設置している。


新大手町サイト内部の様子

ネットワークについては、JPIX、BBIX、JPNAPの三大IX、およびAmazon Web Services、Microsoft Azureと直接接続。さらに、NTT東日本の回線引き込みについては、データセンター統括グループ ディレクターの神坂慶介氏が「都市型データセンターではなかなかない」と話す「異局異ルート入線」を実現した。通信ルートを冗長化するため、異なる通信局からビルへ回線を引き込む「異局」入線に、構内の配線も冗長化する「異ルート化」を組み合わせた。

また、近傍にあるブロードバンドタワーのデータセンター「第1サイト」とプライベートファイバーによる直接接続も可能で、万一の際は第1サイト経由で各キャリアと接続を維持することも可能だ。

このように、5G時代を意識してネットワークの面でも様々な配慮を行った新大手町サイト。最大収容ラック数750のうち、現在3分の2ほどの引き合いがあるという。

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