「臨場感重視」で選定
こうした事業の遂行に不可欠なのが拠点間の連携だ。とりわけ、技術力のベースとなる長野・山口と、東京・福岡の大都市圏の拠点のつながりは重要になる。
東京・長野は医療分野、山口と福岡は通信分野と役割を分担しており、各々2拠点間で社員が頻繁に移動する。月1回の部長会をはじめ、役員会その他で移動・出張が発生。距離は近いものの合同会議には多人数が参加する。もちろん、東京・福岡間の長距離移動もある。
さらに、移動はせずとも普段から電話などでの連絡頻度も高い。拠点間連携の円滑化と、それに伴い積み重なる移動・交通費、通信費は同社の悩みの種だった。
そこでアイティーでは、2009年度(同年7月から)を前にその解消に取り組むことにした。新年度に移動・交通費と通信費を大幅に削減する目標を立て、その方策を検討。達成するためには「ビデオ会議しかない」と判断し、早速検討を始めた。
ビデオ会議には利用スタイルや導入形態によって、さまざまな選択肢がある。個人のPCで使うWeb会議や会議室据え置き型のテレビ会議、また導入形態も、SaaS型や、専用端末と多地点接続装置を設置するものまで多種多様だ。
数多くの製品やサービスを検討し、試用も繰り返したうえで、4拠点同時に接続でき、大画面で表示できる会議室据え置き型に候補を絞った。「当社のスタイルに合っているのは表情が伝わる会議。資料共有やホワイトボードの機能よりも、対面で会う感覚が再現できるかを重視した」。
そんな中、09年6月に「テレビ会議を探しにいった」という福岡の展示会で、日立製作所の「NetCS-HD」に出会った。
九州日立ソリューションズがアイティーの福岡事業所に機器を持ち込み、実際のネットワーク環境下でデモを実施。使用感や品質をチェックして導入を決め、翌月には利用を開始した。
図表 「Net-CS HD」を4拠点に導入 |