ソフトウェア開発等を行うアイティー(代表取締役:小野幸司)は東京本社のほか長野、山口、福岡にも事業所を持つ。総勢50余名の社員数に比して拠点が多いのには明確な理由がある。
常務取締役の上戸一範氏によれば「技術者を獲得するために、地方に拠点を置いている。長野や山口にはソフトウェア会社が少なく、Uターンした優秀な人材を得やすい」のがその理由だ。
そうして得た技術力を基盤に、ソフトウェアの受託開発とパッケージ製品の開発・販売を二本柱として事業を展開。近年はパッケージ製品のSaaS提供にも注力している。
常務取締役の上戸一範氏 |
同社は幅広い分野での開発実績を持ち、中でも得意とするのが「通信」と「医療」の2つの分野だ。
1つ目については、通信キャリアからさまざまな研究開発を受託している。
利用する無線通信方式を動的に切り替えるモバイルルーターや携帯電話用のVoIPソフト、宅内のPCや情報家電等を遠隔から制御するW-DLNAなどの開発実績がある。そのほか、セッションを維持したまま端末・メディア・ネットワークを動的に変更するセッション制御技術など、今後の通信サービスインフラ構築に関わる多様な事案を手がけている。
もう1つの「医療」については、調剤薬局やドラッグストア向けのPOSレジ端末、在庫流通システムのSaaS提供などが同社の看板商品。また、通信分野での技術力を活かし、eラーニングシステムやデジタルサイネージなどにも注力している。