LoRaで海外目指すSKテレコム スマートシティにLPWAが活躍

世界各地の通信事業者が、相次いでLPWAのネットワークを展開している。韓国SKテレコムはいち早く、同国全域にLoRaWANの構築を完了。そのネットワーク上では様々なサービスが動き始めている。

2018年2月に開催される平昌冬季オリンピックに合わせ、韓国のモバイルキャリアは5G(第5世代移動通信方式)のプレスタートに向けた準備を進めている。注目を集めているのはVRやARで求められるような超高速大容量・超低遅延なネットワークだが、他方で超多数接続を実現するLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの展開も見逃せない。

韓国最大のモバイルキャリアであるSKテレコムは、LPWAのLoRaWANを敷設済みだ。2016年3月からサムスン電子と協業し、わずか3カ月後の6月には人口カバー率99%のLoRaを韓国に張り巡らせた。

SKテレコムが、これほどまでにLoRaの展開を急いだ理由の1つは、オランダ通信事業者のKPNと「世界初・LoRaWAN全国カバー」の座を争ったためだ(KPNも同月末にオランダ全域のカバレッジを実現)。また、同社は韓国政府と歩調を合わせ、各国で急速に広がっているLoRaの商用サービスをリードすることで、IoT市場でのイニシアチブを取ろうとする意図もあるようだ。

LoRa構築に対するSKテレコムの投資額は1000億ウォン(約97億円)。2016年はその半分を使い、屋外のネットワーク構築を進めた。2017年には残りの半分を使って、残る屋内カバレッジを充実させる予定だという。

月刊テレコミュニケーション2017年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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