「デバイス1台あたり年額100円から」。SIGFOXが打ち出した衝撃的な料金は、通信・IT業界のみならず、さまざまな産業分野で関心を集めた。
この料金プランが当てはまるのは、契約デバイス数が100万台以上、1日の通信回数が2回以下の場合だ。100万台規模と言えば、各種メーターの遠隔検針や、業務用・家庭用の電気製品への組み込みなどが考えられる。
では、もう少し台数が少ないケースでは、SIGFOXはどの程度の料金で使えるのか――。
今後は2000円程のデバイスもKCCSの日比氏はこの問いに、「契約数が3万デバイス程度、通信回数が約50回までなら年額500円ほど、1000デバイスでも年額1000円ほどで利用できる」と答える(図表1)。
図表1 SIGFOXのチャネルパートナー向け料金(一部)[画像をクリックで拡大]
携帯電話ではIoT向けの安価なプランでも月額300円弱、年間3000円程度のコストがかかる。SIGFOXの価格競争力は圧倒的だ。
もう1つのコスト要因であるデバイスの価格についても、「海外メーカーがすでに通信モジュールを2ドルで出している。単品のセンサーと組み合わせた程度のものは2000円ほどで市場に出てくるのではないか」と日比氏は予想する。
さらにSIGFOXを使えば、多額の初期費用をかけてネットワーク設備を構築しなくても、容易にLPWAを活用でき、データを集約するクラウドの機能も併せて利用できるといったアドバンテージがある。