AWS、Azure、GCP対応のクラウド対応ADCLightning ADCは、AWS、Azure、Google Cloud Platform(GCP)、さらにVMwareベースのプライベートクラウドに対応したクラウド環境に特化したADCである。今年後半ぐらいにはDockerコンテナにも対応予定だという。Harmony Controllerで設定を行うと、これらクラウド上にLightning ADCを自動配備できる。
機能面では、L4-7のロードバランシング機能に加えて、オートスケーリング、DDoS攻撃対策、WAFの機能も備える。ただし、Thunderシリーズと比べると、その機能は「ライト」(ビジネス開発本部 本部長 兼 エバンジェリスト 高木真吾氏)とのこと。
クラウド向けのADCであるLightning ADCの特徴。オープンソースなどと比較すると、オートスケールから
セキュリティ、SSLオフロード、これらの分析などをよりシンプルなアーキテクチャで実現できるのが特徴だという
高木氏は、Harmony ControllerをDevOps時代のソリューションと紹介するが、それを示す機能の1つがBLUE-GREENデプロイメントのサポートだ。
BLUE-GREENデプロイメントとは、新しい本番環境のデプロイメントに関する手法の1つ。
「Harmony Controllerでは、例えばトラフィックの1~2割を新しいバージョンのほうに流し、駄目だったら従来の本番環境にすぐ戻す。問題なければ、そのまま新しいバージョンに移行するといったことができる。アプリケーションのデリバリーを継続しつつ、A/Bテストを実施することも可能だ。しかも、こうしたBLUE-GREENデプロイメントをマルチクラウドで実行できる」
BLUE-GREENテストのためのコンソールがビルトインされている
このほか、APIを通じて、AnsibleやChefといった外部の自動化ツールと連携できる点もHarmony Controllerの特徴として挙げられた。さらに、将来的にHarmony Controllerでは、DDoS対策のTPSを除く同社の全製品が一元管理できるようになる予定だという。
Lightning ADCのライセンスはドメイン単位Harmony Controllerは、Lightning ADCのライセンスを購入すれば、セットで利用できる。
Lightning ADCは、WAF機能無しのBasic版と有りのPRO版の2種類があり、いずれもドメイン単位の課金。「インスタンス数が増えても、ライセンスには関係ない」(高木氏)。
Lightning ADCのライセンス体系
また、Harmony ControllerはA10ネットワークスのクラウド上でSaaSとして提供されるが、自社の環境で運用したいサービスプロバイダーやエンタープライズ向けに「セルフマネージドモデル」も用意する。