2020年の商用サービス開始を目指して、日本でも携帯電話事業者の取り組みが本格化している5G(第5世代移動通信システム)――。5Gでは、10Gbps超の高速スループットや1msの超低遅延などのスペックがターゲットにされているが、「次世代」への移行に必要なのは無線技術の進化だけではない。
「従来型のセキュリティソリューションでは、5Gのスケールへの対応は困難」と米F5ネットワークス プロダクトディベロップメント担当バイスプレジデントのデイヴ・ヴォタヴァ氏は指摘した。
5Gが実現する2020年には、500億以上のデバイスがネットワークにつながると予測されている。また、動画の増加などにより、トラフィックも指数関数的に伸びていく。さらに、サイバー攻撃も日々高度化している。
5Gとセキュリティをめぐるトレンド
しかも、5G時代に通信事業者に求められるのは、このように同時接続数とトラフィックが急増するなか、自身のネットワークのデータプレーンやシグナリング/コントロールプレーンを守ることだけではない。
5Gが4Gと大きく異なる点は、業界ごとの多様なニーズに応えるべく、よりサービス指向のネットワークに進化することだ。例えば、コネクテッドカーには高セキュアかつ超低遅延のネットワーク、VRには超高速かつ超低遅延のネットワークといった具合に、サービスごとに最適なネットワークを提供することを目指している。
つまり、5Gでは、サービスごとに異なる多様なニーズに合わせて、柔軟にセキュリティを提供する必要もある。