「当社は、移動の質を高める、移動を含む一連の体験を彩る『モビリティカンパニー』でありたいと思っている。そのために必要なデータを得る手段がコネクテッドカー。我々がセンシングできる幅が広がる」。こう話すのは、IDOM(旧ガリバーインターナショナル)で新規事業開発室長を務める執行役員の北島昇氏だ。
同社は買取・販売に加え、ユーザーが月額定額で好きなクルマに乗り変えられるサブスクリプション型サービス「NOREL(ノレル)」も提供している。移動がサービス化する将来を見据えたものだ。クルマを「売る・買う・貸す・借りる」すべてに関わることで、顧客がどんなクルマに乗り、何をしているのかを補足し、IDOMが統合した体験を提供する「ドライバープラットフォーム」の実現を目指している。
そうしたIDOMの事業において、コネクテッドカーは2つの側面を持つと北島氏は話す。1つは、例えばテレマティクス保険のようなサービスを、IDOMが販売したり貸したりするクルマに付帯して提供するというもの。もう1つが、IDOMが主体となって通信回線も含めたクルマ向けのIoTサービスを提供し、クルマとユーザーの情報をドライバープラットフォームに集めて活用するという方向性だ。
「最終的に意思決定されているものではない」としながらも北島氏は、後者に関して、MVNOとして通信を提供することも検討中だと話す。中古車販売時に、クルマをIoT化するサービスを合わせて展開し、「通信とデータを押さえる。さらにデータをサードパーティに提供できるような基盤を構築する」事業もあり得る。ソラコムなど複数のMVNOと話を進めているという。
回線周り以外のICT業界との連携ももちろん視野にあり、コネクテッドカーが普及する将来において「クルマ業界とIT屋、Web屋をつなぐ交点に立ちたい」とも同氏は話す。国内外の“ガリバー”拠点を核とした多様な販売チャネルを持つ同社が、中古車のIoT化に大きな影響力を及ぼすことは間違いない。今後の動向が注目される。