――昨年7月に日本法人の社長に就任して半年が経ちました。日本市場をどのように見ていますか。
ウォン 世界の他の市場と比べて、日本には大きく異なる点があります。品質が大変重視され、完璧な工程が求められること、サービスの種類が多く、最先端の技術が早期に実用化されていることなどです。この市場に受け入れられる魅力ある製品・サービスを提供していくことは、ノキアの世界戦略上、大きな意味を持っています。
ノキアは、日本の無線インフラ市場でシェア1位の座にあり、今後もこのポジションを維持していきたいと思っています。今回のアルカテル・ルーセントの買収で、2016年には有線インフラ市場を含めてもナンバー1になれる可能性があると考えています。これを実現するために、日本での事業にさらに力を入れていきます。
――アルカテル・ルーセントの買収により、具体的にどのようなメリットが生じるのでしょうか。
ウォン 最大のメリットは、統合によってノキアは世界最大の時価総額を持つテレコムベンダーとなり、今まで以上に巨額のR&D投資を行えるようになる点です。2016年は40億ユーロ(5120億円)以上を投資する計画を立てています。
加えて製品ポートフォリオも広がり、無線だけでなく有線の分野でも競争力のある製品・ソリューションをお客様にお届けできるようになります。事業スケールが大きくなるので、コスト面でもお客様にメリットを出していけると思います。