標的型攻撃もセキュア無線LANも包括的にウォッチガード・ジャパンが“絶好調”な3つの理由

UTM/次世代ファイアウォールベンダーのウォッチガード・テクノロジー・ジャパンの業績が好調だ。直近の四半期は、前年対比53%増の売上を達成。グローバルでも日本が「ダントツ1位」の成長率を示しているというが、その背景には3つの要因がある。

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンは2015年11月12日、米本社CEOのプラカッシュ・パンジワニ氏の来日に伴い、記者説明会を開催した。

パンジワニ氏の前職は情報セキュリティソリューションベンダーのSafeNetのCEOで、今年4月にウォッチガードのCEOに就任している。

記者会見ではまず、日本法人の社長執行役員を務める根岸正人氏が、国内のビジネス状況について説明した。それによると、ウォッチガードは2015年7月~9月四半期に、グローバルで過去最高の売上高を達成。なかでも日本は、前年対比53%増という高い成長を遂げたという。「グローバルでの成長率は20%。日本はダントツの成長率だった」(根岸氏)。

ウォッチガードの直近の業績
ウォッチガードの直近の業績

好調の理由は、大きく3つあるという。1つは、標的型攻撃の脅威拡大やマイナンバー制度の開始に伴うニーズの拡大だ。

こうしたフォローの風は、競合ベンダーも同様に受けているはずだが、国内のセキュリティアプライアンス市場全体での成長率は「10%くらい」(根岸氏)。ウォッチガードが市場平均を上回る成長率を実現できている大きな要因の1つには、「APTBlocker」の存在がある。

APTBlockerは、標的型攻撃に利用される未知のマルウェアを検知できるサンドボックスソリューションだ。サンドボックスというと、官公庁や大企業向けの高価なソリューションというイメージもある。しかし、APTBlockerは、UTM/次世代ファイアウォールの1機能として、同社のメインターゲットである中堅・中小企業でも容易に導入できる点が大きな特徴だ。

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン 社長執行役員 根岸正人氏
ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン 社長執行役員 根岸正人氏

低コストだからといって、性能が低いわけでもない。

APTBlockerは、米LastLine社のサンドボックス技術を採用している。国内でサンドボックスというと、ファイア・アイが代表的ソリューションとして思い浮かぶかもしれない。それに比べると、LastLineの知名度はまだ低いだろう。

しかし、根岸氏は、米国の独立系セキュリティ機関であるNSS Labsが作成した「標的型攻撃対策バリューマップ」を紹介し、「ファイア・アイは『検知率は低いが価格は高い』と評価されている。これに対して、LastLineは『検知率が高くて価格が安い』とされている」とアピールした。

NSS Labsの標的型攻撃対策バリューマップ
NSS Labsの標的型攻撃対策バリューマップ。右上に行くほど、検知率が高く、価格が安い。小さくて見にくいが、LastLineは右上、ファイア・アイは左下に位置している

LastLineのサンドボックス技術を高く評価するのはNSS Labsやウォッチガードだけではなく、PwCやIBM、HP、ジュニパーネットワークスなどもアライアンスを組んでいるという。

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