クラウド型だからiPadで“いつでもどこでも”そして、4つめの課題であったiPadからのグループウェア活用についても大きく前進した。
前述の通り、Notes時代は社内にサーバーがあったため、モバイルデバイスからのアクセスに制約があった。それがパブリッククラウドサービスであるGoogle Appsに移行したことで、インターネットにつながる環境であれば、いつでもどこでも全機能を利用できるようになった。
例えば、採用などを担当する人事部 人事課の小西真吾氏は、Google Appsのクラウドストレージ機能であるGoogleドライブに資料を保存。外出先でもiPadから利用できるようにしている。
「大学訪問など、外出の機会は結構多いのですが、以前はそうしたとき、メールで自分宛てに必要そうな資料を送っていました。iPadから会社のファイル共有サーバーにはアクセスできないからです。しかし今は、Googleドライブに保存しておくだけで済みます」
部門内の情報共有などにもGoogleドライブは活用しているそうだ。
人事部 人事課 小西真吾氏 |
また、小西氏はメールの使い勝手も大きく向上したと話す。
「Notes時代と比べて、特に気に入っているのは、メールの一覧性と検索性が向上したことです。Google AppsのGmailにはスレッド表示機能があり、同じ話題のメールをまとめて管理できます。そのため例えば、社員に一斉配信した研修の案内メールに対する数多くの返信メールも、1つのスレッドで一覧できます」
検索性が向上したのは、次の理由からだ。「Notesのときは、メール容量が少なかったため、古いメールをローカルのハードディスクに移して保存していました。このため過去のメールを探す際、サーバーとローカルの両方を検索する必要があったのです」
現在は、すべてのメールがクラウド上のGmailのメールボックスにあるので、こうした手間は必要ない。メール容量が30GBと増えたことで、定期的にメールを削除する必要もほとんどなくなっている。
このほか、社内ポータルもGoogle Appsのサイト作成機能であるGoogleサイトを使って構築。従来は外出先から社内ポータルは閲覧できなかったが、iPadからも社内ポータルが閲覧可能になった。
「とりあえずChromeを立ち上げれば、何でもできる。Google Appsが導入されたことで、様々な手間が減り、業務のスピード化につながっていると思います」と語る小西氏。今後は、Googleドキュメントによる共同編集や、Google+による社員交流などにもチャレンジしていきたいという。
Googleサイトを活用し、社内ポータルを作成。iPadからも閲覧できるようになった
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海外拠点にもGoogle Appsを展開し、グローバルでスピードアップ“100年企業”を目標に、スピード経営の実現を目指すネオス。そして、これに貢献し始めたGoogle Apps。
同社が次のステップとして検討を進めているのは、海外拠点へのGoogle Appsの導入だ。ネオスは現在、中国、シンガポール、タイに海外現地法人を有している。
「海外にいる社員とも同じ資料をすぐに共有できるし、海外の情報も本社にスピーディに上がってくる。そんなふうにGoogle Appsを活用していきたいと考えています」と葛原社長。クラウド型グループウェアのGoogle Appsなら、全世界の社員が素早く情報共有できる仕組みを容易に構築できる。
葛原社長のデスクにはインド進出に関する本が置かれていたが、Google Appsは同社のグローバル展開の加速も支えていくことになりそうだ。