VPNのニュータイプ「Pertino」、その秘密は“SDN×クラウド”にあり!

Pertinoは、クラウドとSDN技術を活用することで、柔軟で信頼性の高いネットワークを安価に構築できるようにした新タイプのVPNソリューションだ。プライベートクラウドやM2M接続用のVPNとして期待が高まっている。

SDN技術とクラウドを活用した新タイプのVPNソリューション「Pertino Cloud Network Engine(以下Pertino)」を展開する米パティーノが、日本での事業展開を本格化させている。

同社は今年3月にソフトバンクコマース&サービスとのディストリビュータ契約の締結を発表し、NECネッツエスアイ、富士ソフトなどSIer7社を通じてこのソリューションの企業への浸透を図っている。さらに新たな販売チャネルの構築にも取り組んでいるという。

パティーノは、2011年に設立されたネットワーク系ベンチャー企業だ。主力のPertinoは、SDN技術を用いてIPネットワーク上に仮想的な広域閉域網を構築する「SD-WAN」と呼ばれるソリューションの1つである。

Pertinoの大きな特徴は、アマゾンのAWS(Amazon Web Services)等のクラウドサービスを活用してSDNベースの「基幹網」を構築し、ユーザーのPCやタブレット端末、サーバーなどのデバイスをSSL-VPNでこの基幹網に接続する形を取ることで、企業がローコストで手軽に利用できる閉域網サービスを実現したことにある。潤沢なコンピュータリソースを安価に利用できるクラウドとインターネットの活用により、設備コストを大幅に抑えつつ高品質なサービスを可能にしたのだ。

料金は10台までのデバイスを接続できる最安値プランで月額3750円。デバイスをインターネットに接続する光回線やモバイル回線などのコストを含めても、一般的なVPNソリューションより格段に安価だ。

Pertinoのもう1つの特徴が手軽さだ。ユーザーは接続するデバイスにエージェントソフトを導入しWeb上のコンソールで設定操作を行うだけで、世界規模の閉域網を構築できるのだ。

パティーノでCEOを務めるクレイグ・エリオット氏はクラウドベースのネットワークを構築した狙いを「クラウドを活用することでCPUやメモリーなどハードウェアの制約にとらわれないハイスペックのサービスを作り出したいと考えた」と説明する。

月刊テレコミュニケーション2015年8月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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