モバイル管理に不可欠なMDMの進化系「EMM」を徹底解説

スマートデバイスの業務利用に欠かせないMDM。これにMAMとMCMの機能を加えた「EMM」が一般化している。ベンダー各社はMAMとMCMに対応するとともに、独自機能を用意して差別化を図る。

インヴェンティット――新キーワード「MMIS」を提唱

インヴェンティットは、同社の「MobiConnect」を単なるMDMではなく、企業や教育現場を中心に利用されるモバイルデバイスとそれに関連するサービスをつなげる「MMIS」(Mobile Management Integrated Service:モバイル管理統合サービス)を目指している。

「EMMよりもさらに広範囲の統合サービスで、3年以内に実現したい」とインヴェンティット 技術部 部長の半田寛之氏は話す(図表4)。

図表4 インヴェンティットのMobiConnectプラネット
インヴェンティットのMobiConnectプラネット

すでにMAMとSNSは提供済みであり、MAMの「App Square」はアップル社が提供する企業および教育向け「Volume Purchase Program」(VPP)の管理配布に対応し、MobiConnectのオプションサービスとして提供されている。

App Square は、業務上必要なApp Storeアプリや社内アプリを一元管理し、ユーザーに配布することが可能。企業や学校はApp Squareを使い、MobiConnectで端末を管理した上で、別途エージェントアプリをインストールすることなく、App StoreやVPPで購入したアプリまたは社内アプリをMobiConnectの管理画面からユーザーに対して効率良く配布することができる。

なお、VPPはアップルが企業向けおよび教育向けに提供するプログラムのこと。VPPを利用することにより、企業や学校はApp Storeで提供されているiOS向けアプリケーションをあらかじめまとめて購入し、従業員や教職員または生徒などに配布できる。

VPPを使うことで、企業内や学校内で必要なApp Storeアプリケーションを担当者が管理した上で、端末ユーザーに利用させることが可能となる。

SNSの「MoChat」は、チャットアプリ「LINE」の社内版といったイメージのもの。

チャットアプリはその手軽さと充実した機能ゆえ、ビジネスの現場でもコミュニケーション手段の中心となり、業務伝達や情報展開で日常的に利用されている。ただ、企業の管理部門からすると、コンシューマ向けツールの業務利用は情報漏洩のリスクが高く、見過ごせる状況ではない。こうした状況を解決すべく、ユーザーの求める「効率性」と、企業側の「セキュリティ上の懸念点」の双方のニーズに対応したツールがMoChatだ。

MoChatの機能としては、1対1および1対Nのチャット、既読・未読によるリスト表示、スタンプ機能、画像共有、位置情報共有などといったものがある。2015年1月にMobiConnectのオプション機能としてリリースしたが、同年5月からは単体サービスとしても提供する。

月刊テレコミュニケーション2015年5月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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