ロボットアウトソーシングサービスを提供するビズロボジャパンとM2M/IoTソリューションのコムツァイトが、高齢者を24時間365日リアルタイムに見守るサービス「見守りクラウドロボ」を今年6月から開始する。
見守りクラウドロボのデモ画面 |
高齢者宅に取り付けた開閉センサや人感センサ、湿度/温度センサなどから得た情報を、クラウド上のバーチャルロボットが総合的に判断。例えば、「24時間移動していない」「トイレから長時間出てこない」「室温が熱中症の危険があるほど上昇している」など、心配な状況になった場合には、ロボットが登録された連絡先に通知を行う。
ビズロボジャパン 代表取締役社長 大角暢之氏 | コムツァイト 特定技術事業部 事業部長 天辰健一氏 |
センサにEnOceanを採用し電源不要
高齢者の見守りのためのサービスはすでに様々なタイプのものが提供されている。ビズロボジャパン 代表取締役社長の大角暢之氏が、見守りクラウドロボの特徴として強調した点の1つは、「もっと安くてカジュアルに、しかもすぐできる」ことだ。
見守りクラウドロボの提供料金は月額3000円~で、初期費用は無料である。
見守りクラウドロボの導入フロー |
見守りクラウドロボの具体的な仕組みはこうだ。まず人感センサや開閉センサ、湿度/温度センサなどの無線センサを宅内に取り付けるが、用意するセンサは電源不要のため、電源工事の必要なしに簡単に取り付けられる。
センサに電源が不要なのは、センサと後述する3Gゲートウェイ間をつなぐ無線技術として、エネルギーハーベスティング無線技術のEnOcean(928MHz)を採用しているからだ。
見守りクラウドロボのセンサ群。左上隅にあるのが3Gゲートウェイ |
エネルギーハーベスティングとは、周囲の環境にあるわずかなエネルギーを収穫(ハーベスティング)し、電力に変換する技術のこと。見守りクラウドロボのセンサの場合、照明などの光を電力に変換して稼働する。蓄電池も内蔵しているため、外部のエネルギーを得られない時間も稼働し続けられる。
そして、センサが取得したデータは、3Gデータ通信機能を備えた3Gゲートウェイに送られ、クラウド上に送信される。3Gゲートウェイは設定不要。センサも電源不要で取り付けるだけと簡単なため、大掛かりな工事などなしに、低コストですぐに見守りを始められるというわけだ。
センサは1個から利用でき、個数が増えると月額料金も上がっていく。