NTT、ドコモの収益改善を受け通期予想を上方修正 通信品質向上へ4500局の5G基地局を新設

NTTが2026年第2四半期(2Q)決算を発表。前年度にNTTデータグループが計上した不動産投資信託(REIT)へのデータセンター売却益の反動減により、グループ全体では増収減益となった。一方、モバイル通信サービス収入は減収幅が着実に縮小し、ドコモグループの総合ICT事業は増収増益を確保した。こうしたドコモの収益改善を踏まえ、グループ全体の2026年度通期業績予想も上方修正した。また、通信品質の改善に向けては、2026年度上期に4500局の5G基地局を新設した。

都営地下鉄の全98駅で5G基地局を設置完了

続いて行われたドコモの決算会見では、代表取締役社長の前田義晃氏がネットワーク品質のさらなる改善に向けた取り組みについて説明した。

2026年度上期に新設した基地局数は7000局(5G:4500局、4G/LTE:2500局)で、累計基地局数は32万3900局(5G:6万3300局、4G/LTE:26万600局)におよぶ。前田氏は、「Sub6を活用してネットワーク全体の通信容量を拡大することを優先しつつ、4G向け周波数帯を5Gへ転用するNR(New Radio)化や、5G SA(Stand Alone)のさらなる展開も並行して進めていく」と話した。

通信品質向上に向けた取り組みについて説明したNTTドコモ 代表取締役社長 前田義晃氏

また、主要鉄道路線で快適に利用できる通信品質の水準(下りスループット30Mbps以上を80%の割合で維持)を満たした路線数は30路線に達し、2026年度末までに39路線への拡大を目指す。地下鉄駅への5G基地局の整備も進めており、都営地下鉄では全98駅、東京メトロでは全駅の74%に当たる121駅への設置を完了した。

都営地下鉄では全98駅へ5G基地局を設置

今年9月には、マルチベンダー構成が可能なノキア製の基地局装置を商用導入。同月に開催された「第59回常総きぬ川花火大会」では、Massive MIMO向けのネットワーク最適化技術「Dual Boost」と組み合わせることで、上り・下り双方のスループットを20~30%改善できることを確かめたとのことだ。

10月に開催された「第38回なにわ淀川花火大会」では、複数の周波数帯間および基地局間の通信量を自動調整する「SON(Self-Organizing Network)システム」の実証を実施。特定の周波数帯への通信集中を解消し、混雑時間帯でも下り約370Mbps、上り約31Mbpsの安定した通信速度を確保できることを確認したという。

ノキアと協業し通信品質を強化

NTTグループへのサイバー攻撃は7倍に増加

会見では、英国のレーシングチーム運営会社「マクラーレン・レーシング」とのパートナーシップ締結も発表された。AIを活用したサーキットの混雑予測やレース展開の自動要約、レース中の意思決定支援などを支援するとともに、AIガバナンスの強化もサポートする。

マクラーレン・レーシングとパートナーシップを締結

また、近年増加するサイバー攻撃について問われたNTT 代表取締役社長 社長執行役員 CEOの島田明氏は、10月に検知した通信サービス関連へのサイバー攻撃が前年同月比で7倍に増加し、グループ内の5社と委託先の7社で情報漏洩が発生したと明らかにした。ただ、「通信サービスへの深刻な影響は出ていない」と強調した。

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