「IoE/IoTが2015年はサイバー犯罪者の標的に」――トレンドマイクロがセキュリティ脅威動向を解説

トレンドマイクロは2015年1月8日、報道関係者向けに「2014年インターネット脅威動向総括および今後の脅威予測セミナー」を開催。同社 上級セキュリティエバンジェリストの染谷征良氏がセキュリティ脅威のトレンドについて解説した。

トレンドマイクロ 上級セキュリティエバンジェリストの染谷征良氏が、2014年の情報セキュリティ脅威動向を総括するキーワードとして選んだのは、「個人情報」と「ボーダーレス化」だ。

「2014年に行われたサイバー攻撃を振り返ると、法人を狙った攻撃であれ、個人を狙った攻撃であれ、常に何らかの個人情報が狙われており、かつ攻撃対象が従来と比べて拡大、あるいはボーダーレス化した1年だと締め括ることができる」

ネットバンキングを狙ったサイバー攻撃の動向
ネットバンキングを狙ったサイバー攻撃の動向。ワンタイムパスワードや電子証明書による対策も突破する手法が登場するなど、攻撃の悪質化も進んでいる

個人情報が狙われるのは、いまやサイバー攻撃の大半が金銭目的であり、個人情報は金銭化が容易だからだ。例えばトレンドマイクロの調査によると、「ロシヤの闇市場では、クレジットカード情報が1件当たり数百円で取引されている」という。

サイバー犯罪者が個人情報を狙う理由
サイバー犯罪者が個人情報を狙う理由

ボーダーレス化を象徴する動きは、例えばネットバンキングを狙ったサイバー攻撃にも見られる。個人だけではなく、法人でも被害が増加。さらに大手金融機関にとどまらず、地方銀行やクレジットカード会社のネットバンキングも狙われるなど、これまでの常識を覆して攻撃対象が広がっているという。

また、ソフトウェアの脆弱性を悪用した攻撃においても、ボーダーレス化は起こっている。従来、脆弱性というと、WindowsやInternet Explorer、Flashなどのベンダーソフトウェアの脆弱性が中心だった。

しかし、2014年はOpenSSLに脆弱性「Heartbleed」が見つかるなど、オープンソースソフトウェアの脆弱性が大きくクローズアップされた年となった。「オープンソースソフトウェアは、公開サーバーはもちろんのこと、様々な組込み機器で使われており、重大な脆弱性が見つかった場合の影響範囲は非常に大きい」

さらに、2014年の脅威動向を語るうえで欠かせないのが、米国で猛威を振るったPOSシステムを狙った攻撃である。米国では2014年、POSシステムからのクレジットカード情報漏えい事件が「ほぼ毎週のように」発覚した。

トレンドマイクロの調査では、POSシステムを狙った不正プログラム「POSマルウェア」が検出されたPOSシステムの台数は、全世界で対前年比約21倍に増加している。「日本国内でも6件を確認しており、“対岸の火事”とは言えない」という。

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