東京-大阪間に第3のルート「東阪プラチナコネクト」、遅延は約3割削減
東名阪ネットワークの増強も抜かりなく進めている。通信量の増大で、既存のバックボーンの容量が逼迫してきたためだ。
東京―大阪間には現在、山側と海側の2ルートがある。容量は合わせて50Tbpsだ。
Coltは2027年1月に、山側にもう1経路を追加し、冗長化する。既存ルートとは異なる接続機器を用いる独立した経路であり、これにより容量は25Tbps増える。
さらに2027年春には、新たに第3のルートを拓き(図表2の赤線)、低遅延の新サービス「東阪プラチナコネクト」の提供を開始する。山側と海側の間を通る中間経路を用いることで、既存ルートより距離を約70km短縮。遅延を約30%も抑えるという。
図表2 東名阪・新ルートも含めたColtの国内ネットワーク増強

遅延を左右するのは距離だけではない。安藤氏によれば、光信号は途中で減衰するため再増幅の装置を挟むが、距離が短いほどその数が減り、装置による遅延も小さくなるという。他社網と連結せず、自前の設備で直接つなぐことも低遅延化に効く。
低遅延へのニーズが強いのは金融機関だが、最近ではハイパースケーラーからの要望も増えているという。そうした声も、今回の整備を後押しした要因の1つだ。
この新ルートの容量は25Tbpsで、山側の増強と合わせて東阪間は計50Tbps増強されることになる。東阪プラチナコネクトはColt wave専用線として提供し、1G/10G/100G/400Gbpsのメニューを揃える予定だ。
次に見据えるは「AI ready network」
今回の日本国内ネットワークの拡張は、Coltのグローバル戦略の一環でもある。
インフラ拡張は世界中で行っており、近年は海底ケーブルへの投資を加速。米Lumen TechnologiesのEMEA(欧州・中東・アフリカ)事業の買収(2023年)に伴い取得した大西洋横断ケーブル群に加え、2026年には米国―スペイン間の「Marea」と、日米を結ぶ「Juno」でサービスを開始した(図表3)。いずれも引き合いは強いという。
図表3 Coltのグローバル海底ケーブル網(大西洋横断・太平洋横断)
こうした投資を後押しするのがAIだ。
安藤氏によれば、3500人のCIOを対象とするグローバル調査で、61%がAIによるトラフィックの増加を実感し、約6割がそのトラフィックは低遅延を求めると答えたという。また、既存ネットワークの複雑さやAIに向けた容量への懸念、セキュリティやデータ主権の問題も主要な関心事に挙がった。
さらに今後は、AIエージェント同士がDC間でやり取りする推論処理のトラフィックへの対処が必要になる。大容量かつ低遅延が要求され、しかも増減が読みにくい。DC事業者の悩みは尽きない。
そこでColtは、必要な時に必要な帯域を使えるNaaS(Network as a Service)を拡張し、AI時代のニーズに備える構想を描く。インフラ拡張の次に見据えるのは、この「AI ready network」の実現だ。
「AI活用を支えるすべてのインフラを完全接続できる、動脈のような存在になれればいい」と同氏。東京から九州まで貫く新たな“背骨”が、AI時代の国内インフラをどう支えていくのか。その行方に期待したい。
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