計算資源・ネットワーク・運用を一体で進化
その目標達成に向け、「プラットフォームの進化」「重点4領域の強化」「パートナリングの強化」という3つの成長戦略をさらに強化する。
まず、プラットフォームはどう進化するのか。
小島氏は、郊外型、都市型、コンテナ型、エッジ型(MEC)のデータセンター(DC)を用途や電力事情に応じて使い分ける時代になると見通しを語った。
その中核となる1つが、2026年9月30日に提供を開始するGPUaaS(GPU as a Service)である(参考記事)。GPUクラウドサービスと専有型GPUを組み合わせて利用できるもので、こうした「ハイブリッド利用の提供は国内事業者として初めて」という。分散GPUの実証環境「GPU over APN Testbed」も国内初の取り組みとして提供する。
GPUaaSの需要増を見込む背景にあるのが、GPUの高発熱化だ。代表取締役副社長の金井俊夫氏によれば、1ラック当たりの必要電力は2025年に最大150kW程度、2027年には600kW程度に達する見込みで、最早、従来の空冷方式では対応が難しくなるという。

コンピューティングの高発熱化
そこで、NTTドコモビジネスは、大阪第7DCと横浜第1DCで液冷対応の環境を提供するほか、東京・五反田に「液冷方式標準」の都市型AI DCを建設中だ。2029年度第3四半期の提供を予定する。
ただし、建屋型DCは、特別高圧電力の確保を含めて5~10年を要するケースもある。そのため、補完策と位置付ける「コンテナ型DC」の展開にも注力する。規模や構成に応じて概ね半年~2年程度で構築でき、液冷にも対応。東京電力パワーグリッドと組んで展開するコンテナDCパークは2027年秋の提供を予定している。
データの安全性、すなわちソブリンティへの対応も柱となる。同社はエクサウィザーズと共同で、業務データやプロンプトを外部の生成AIサービスに送信しない「クローズドAIエージェント」を提供。また、AIの統制・制御や認証・認可、機密データの安全な活用・共有を実現する「Trusted Data Fabric」の提供も準備しているという。

クローズドAIエージェントの概要
ネットワークは「異常を見守るセンサー」へ進化
ネットワークに関しては、拠点接続向けの「docomo business RINK」、IoT・フィジカルAI向けの「docomo business SIGN」、DC間など向けの「docomo business APN Plus」の3つをNaaS(Network as a Service)として展開する。ポータルやAPIから帯域や機能を必要なときに変更でき、RINKは1分単位、APN Plusは日単位の従量課金に対応する。
特徴は、ネットワークサービスにセキュリティ機能を組み込んだ点だ。
金井氏は、産業機械やIoT機器、ロボットの多くはEDRを導入できず、フィジカルAIの普及に伴ってセキュリティリスクが高まると指摘した。同社のPoCでは、中堅・中小企業の6~8%にマルウェア感染リスクが確認されたという。
こうした脅威に対し、金井氏はネットワーク自体を「異常を見守るセンサー」として機能させる考えを示した。NaaSを「Network as a Service」から「Network as a Sensor」へと進化させ、多層防御の新たな層に加えるという発想だ。

「Network as a Service」から「Network as a Sensor」へ
具体的には、不正通信の検知後約5分で自動遮断するオプションや、WAN/LANのログをAIで相関分析して対応優先度を判定する「AI SOCライト」を、2027年3月からRINKで提供する。IoT・フィジカルAIのグローバル展開に向けた「docomo business SIGN Pro」も同月に提供する予定だ。
また、運用面では、AI、クラウド、NaaSの利用量とコストを可視化するFinOpsを10月から提供する。









