「今回のソリューションは約2年前から考えていた。当時、SDNやOpenFlowというとデータセンターを意識したものだったが、実はオフィス環境のほうが効力を発揮すると思っていた」(アライドテレシス マーケティング本部 第一プロダクトマーケティング部 部長の中島豊氏)
アライドテレシスが2014年12月11日、オフィス環境向けのSDNソリューション「Secure Enterprise SDN Solution」を発表した。その最大の特徴は、中島氏の言葉にある通り、一般オフィスやテナントビル、学校、病院などのLANをターゲットにしたSDNソリューションであることだ。
(左から)ストラトスフィア 代表取締役社長 浅羽登志也氏、アライドテレシス マーケティング本部 第一プロダクトマーケティング部 部長 中島豊氏、同 取締役 川北潤氏、クオリティソフト 代表取締役社長(COO) 久保統義氏、ラクラス 代表取締役社長 北原佳郎氏、トレンドマイクロ テレコム営業部 部長 松田剛氏 |
人事ワークフローとIT資産管理ツールと連携し、ネットワーク変更を自動化
Secure Enterprise SDN Solutionは、アライドテレシスのスイッチおよび無線LANアクセスポイントと、ストラトスフィアのSDNコントローラーを連携させたSDNソリューションである。さらに、トレンドマイクロのセキュリティソリューションやラクラスの人事ワークフロー、クオリティソフトのIT資産管理ツールと連携し、ネットワークの運用効率化とセキュリティ確保を実現する。
Secure Enterprise SDN Solutionのシステム概要 |
SDNが登場した大きな背景の1つは、ネットワークの運用負荷が過大になっていることだが、ネットワークの運用で困っているのはデータセンターばかりではない。「オフィスも、人事異動があるたびにネットワークの設定変更が待っている。大変な環境だ」とアライドテレシス 取締役の川北潤氏は指摘した。
そこでSecure Enterprise SDN Solutionは次のような仕組みで、従業員の入社や人事異動などに伴うネットワークの設定変更を自動化する。
従業員の入社・退職・異動があると、人事担当者がラクラスの人事ワークフローにその人事情報を入力。次にIT担当者が、接続できるVLANなど、その従業員に付与するネットワークポリシーを入力する。
すると、その情報がIT資産管理ツールを経由してストラトスフィアのSDNコントローラーに届き、新たなネットワークポリシーに基づいた仮想ネットワークを動的に設定するという仕組みだ。
人事ワークフローとIT資産管理ツールと連携し、SDNでネットワークを自動設定 |
また、端末や場所、時間帯に合わせたアクセス制御を行うこともできる。LANに接続している端末情報の自動収集は、クオリティソフトのIT資産管理ツールの役割だ。