「他社より149%も高速!」ウォッチガードがHTTPS通信の検査性能を大幅向上したUTM新製品

HTTPS通信が急増するなか、企業は暗号化トラフィックもしっかり検査する必要に迫られている。ただ、ネックは、高性能なセキュリティアプライアンスは高価なこと。しかし、ウォッチガードの新製品「Firebox M400 / M500」なら、従来と同等の価格で、暗号化トラフィックを高速に処理できるという。

NSAの元職員、エドワード・スノーデン氏の告発は全世界に大きな衝撃を与えたが、企業のIT管理者にも直接的な影響を及ぼしている。

「スノーデンの告発を受けて、フェイスブックやグーグルがHTTPSによる暗号化をデフォルトにするなど、暗号化通信が急速に普及している。米国では、暗号化されたトラフィックが1年で2倍に急増したという調査報告もある。一般ユーザーにとっては、暗号化で安全になることは良いことだが、企業のIT管理者は大変だ。暗号化トラフィックをチェックするには、ハイスペックなセキュリティ機器が必要になるからだ」

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンでマーケティングマネージャを務める堀江徹氏はこう述べたうえで、ミッドレンジ向けセキュリティアプライアンス「WatchGuard Firebox M400 / M500」を紹介した。

IT管理者を悩ます暗号化トラフィックの急増問題に、解決策をもたらす新製品だという。

同価格の従来モデルよりFWスループットは3倍、同時セッション数は92倍

Firebox M400は従来モデルのXTM 525、M500はXTM 535/545のそれぞれ後継となるUTM製品だ。ウォッチガードはこれまでUTM製品をXTMシリーズとして展開してきたが、ブランドを一新。今後投入するUTM製品については、すべてFireboxブランドで発売する。

では、従来モデルとは何が変わったのか。「1点目は、第4世代のインテルコアプロセッサを搭載したことだ」と堀江氏は説明した。そして、2点目は、この最新のインテルアーキテクチャに最適化された新しいOS、Fireware 11.9.4の搭載である。

Firebox M400は、価格が同等の従来モデルXTM 525と比べ、ファイアウォールスループットは3.2倍の8Gbps、IPSスループットは2倍の4Gbpsになった。また、Firebox M500は、ファイアウォールスループットがXTM 535の2.6倍になる8Gbps、IPSスループットが2.3倍の5.5Gbpsである。

Firebox M400 / M500の製品概要
Firebox M400 / M500の製品概要

これら以上に飛躍的に向上しているのが、HTTPS通信のDPI(ディープパケットインスペクション)やIPsec VPNおよびSSL-VPNといった暗号化トラフィックの処理性能だ。VPNスループットで比較すると、Firebox M400は12倍、M500は9.6倍に向上している。

Firebox M400/M500と同価格帯の従来モデルとの性能比較
Firebox M400/M500と同価格帯の従来モデルとの性能比較

同社プリセールスエンジニアの正岡剛氏によると、これに大きく貢献しているのが、Intel QuickAssist Technologyだという。SSLおよびIPsecのアクセラレーション機能を提供するものだ。

HTTPS通信が主流になりつつあるなか、SSLで暗号化されたトラフィックもチェックしなければ、マルウェアやC&Cサーバーとの通信などは検知できないが、Intel QuickAssist Technologyをうまく活用することにより、HTTPS通信の高速処理を実現しているという。

さらに、同時セッション数の向上も著しく、Firebox M400は76倍の380万セッション、M500は92倍の920万セッションとなった。ハードウェア性能を最大限に引き出す新OSの搭載により、「OSが利用できるメモリーの量が増えた」(正岡氏)ことが要因だという。

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