モトローラが日本独自の業務用無線――公共・防災用LTE「Public Safety LTE」にも意欲

モトローラ・ソリューションズは2014年10月22日、新製品発表会を開催した。

ハンディターミナルや無線LANソリューションを取り扱うエンタープライズ部門をZebra Technologies社に売却する同社。今後は「モトローラ発祥の製品である無線通信に特化した専業メーカーになる」とゼネラルマネージャーの小池伸行氏は話したうえで、まずは新生モトローラ・ソリューションズの国内戦略について説明した。

モトローラ・ソリューションズ ゼネラルマネージャー 小池伸行氏
モトローラ・ソリューションズ ゼネラルマネージャー 小池伸行氏

小池氏が、さらなる成長に向けた“柱”として挙げたのは、次のスライドにある4つである。

モトローラ・ソリューションズ
日本戦略の4本柱

1本目の「一般企業向けアナログ簡易無線のデジタル化促進」については、日本向けの独自端末を開発することで強化していく方針だ。

また、2本目と3本目は地方自治体が主な顧客となるが、世界市場で6~7割のシェアを持つTETRAの実績を紹介したうえで、「日本でもようやくデジタル化が進み、これらのシステムを使っていただける環境が整ってきた。これからが本格導入期という期待を強く持っている」とした。

興味深いのは、4本目の柱として掲げられた公共・防災用のLTEシステムであるPublic Safety LTEだ。

Public Safety LTEが公共・防災ネットワークの世界的潮流になりつつあるという
Public Safety LTEが公共・防災ネットワークの世界的潮流になりつつあるという

小池氏によれば、「国内ではまだ音声が中心だが、世界の公共・防災ネットワークの潮流は、ブロードバンド通信が可能なPublic Safety LTEに向かっている」とのこと。例えば米国では、サンフランシスコやロサンゼルスなど、いくつかの州で専用帯域によるPublic Safety LTEの運用が始まっているという。また、韓国でもフェリーの転覆事故への反省から、専用帯域によるPublic Safety LTE導入の動きがあるそうだ。このほかオーストラリアなど、専用の帯域を用意するのではなく、通信事業者のLTEネットワークを活用している例もあるという。

モトローラ・ソリューションズでは、国内でのPublic Safety LTE導入に向けて、総務省への働きかけなどを行っていくという。

日本独自開発の業務用無線2機種を発表

さて、この日、新製品として発表されたのは、1本目の柱であるデジタル簡易無線の新端末である。日本のユーザーのニーズに応えるために開発した、日本専用モデルとなる。

まずは特定小電力トランシーバーの「CL1K(クリック)」だ。PCR事業部 マネージャー 宮崎浩助氏が最もこだわったというのは、デザイン。高級ホテルやレストラン、ブティックなどにも馴染むように、シンプルで洗練されたデザインを志向。すでに9月から販売が始まっており、銀座のブランドショップに採用されたほか、グッドデザイン賞も受賞した。

重さは68gと軽量で、ネックストラップやリストバンドなど、様々な着用形態が可能な点も大きな特徴だという。

デザイン性や軽量さを追求したCL1K
デザイン性や軽量さを追求したCL1K

もう1つの新製品は、簡易業務用無線機の「MiT7000」。こちらは免許が必要な400MHz帯を利用する。MiT7000のコンセプトは、「誰もが持ちたくなる、プロの自覚が芽生える無線機」。CL1Kと同様、日本オリジナルの業務無線端末で、薄さ約30mm/重量約240g。国内では、最軽量クラスかつ最薄型クラスだという。MiT7000の出荷開始は12月の予定だ。

モトローラの新たなフラッグシップモデルとなるMiT7000
モトローラの新たなフラッグシップモデルとなるMiT7000

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。