ゲートウェイ開発のすべての要件をクリアする「IDP」
当社は、さまざまなデバイス開発に用いる2種類の組込みOS「VxWorks」「Wind River Linux」を中軸に、安全、セキュリティ、パーティショニングといった付加機能、ネットワークプロトコルやグラフィックス、セキュリティアルゴリズムなどを搭載したミドルウェア、さらには統合開発環境や各種ツールなども一体で提供してきました。
図表3 ウインドリバーの製品ポートフォリオ |
加えて2年ほど前からは、デバイスやLANとインターネットをつなぐゲートウェイ向けの開発プラットフォームとして「Wind River Intelligent Device Platform」(IDP)も提供しています。
「IDP」は、ゲートウェイに求められる(1)接続性、(2)管理性、(3)セキュリティという3つの要件をすべてクリアしています。
(1)ではPAN、LAN、WANに関する多種多様な通信規格を、(2)ではTR-069やOMA DM、OSGiなどの管理プロトコルを標準でサポートしています。また(3)についてはデバイス、データ、リモート管理の3つのセキュリティを担保する機能を実装しています。
図表4 「Wind River Intelligent Device Platform」の概要 |
「IDP」は、インテルが提供するIoT向けゲートウェイソリューションに統合されています。このソリューションには、同じグループ企業であるマカフィーの「McAfee Embedded Control」も組み込まれています。こうしたオールインワンの機能により、開発にかかる時間とコストの低減、運用面での負荷軽減を実現できます。また、今や組込み機器もハッキングの被害を受ける時代ですから、情報セキュリティの脅威に対するソリューションとしても非常に有効です。
「IDP」の採用実績は、接続性を評価した大手FAメーカー、セキュリティ機能に着目した医療機器メーカー、膨大な量のスマートメーターの管理用途、さらにインテリジェントビル管理の大幅な省力化に成功したIoT事例として知られるダイキンアプライド社など、多様な業種に広がっています。
クラウドとデバイスをつなぐ「 Edge Management System」も提供
当社では今後、各種製品のIoT対応をより積極的に進めていきます。
「VxWorks」の最新バージョンである「VxWorks 7」では、コアプラットフォーム上で機能するさまざまなプロファイルを提供することで付加価値化を進めていますが、その1つとしてIoTへの対応を強化しています。「Wind River Linux」も同様です。
IoT向けの新たなソリューションも提供していきます。それが「Edge Management System」(EMS)です。
「EMS」を一言で説明すると、クラウドとデバイスを直接つなぐセキュアなパイプと、そのパイプを動かすための仕組みを提供するものです。クラウド側、デバイス側の双方で標準的なAPIや統合開発ツール、シミュレータ、エミュレータなども用意し、お客様が容易にアプリケーションを開発できるようにします。
図表5 「Edge Management System」の概要 |
そして、この「EMS」を組込みOSにもIDPにも実装することにより、デバイスからネットワーク側のクラウドまでカバーする一貫したソリューションを提供していく考えです。