スマホ注文・決済やbeaconを活用!――先進ハンバーガーショップに学ぶ売上アップ術

ハンバーガーショップ「the 3rd Burger」が、スマートフォンで注文・決済を完結できる新オーダーシステムを導入した。Beaconでお客の来店を検知したり、タッチ式の認証を行う仕組みも採用している。

ユナイテッド&コレクティブは、鶏料理専門店「てけてけ」、創業ブランドである魚と地酒の「心」、ハンバーガーショップ「the 3rd Burger」などを首都圏を中心に展開する外食企業だ。

2000年の設立後14年で直営32店、フランチャイズ2店舗へと成長してきた。それを支えているのが、同社が「ISP(In Store Preparation)」と呼ぶ戦略である。ISPは「店内仕込み・店内調理」を意味する。それが特に発揮されているのが、青山骨董通り店と六本木アークヒルズサウスタワー店の2店舗を展開するthe 3rd Burgerだ。

通常のハンバーガーチェーンは、仕入から商品提供までに2回、肉の冷凍・解凍が発生するという。だが、the 3rd Burgerでは商品提供までに一度も冷凍せず、冷蔵配送される肉を店舗で仕入れてハンバーガーパティに成形する。また、工場で一括大量生産したものを各店舗に配送することが一般的なパンも、発酵から焼き上げまですべて店舗で行う。「オーダーを受けてから調理し、フレッシュなハンバーガーを提供することが我々の商品力になっている」と代表取締役の坂井英也氏は話す。

ユナイテッド&コレクティブ 代表取締役 坂井英也氏
ユナイテッド&コレクティブ 代表取締役 坂井英也氏

「レジ前の行列を解消したい」

一方、商品提供までのスピードが課題だ。

レジで注文を受けてから調理し、商品を渡すまでの時間はオペレーションの改善によって短縮してきたが、問題はオーダーを受ける前にあると坂井氏は話す。「注文後はクイックに提供できるが、問題は注文前の行列。ランチタイムなどのピーク時にはどうしても10分程度お客様をお待たせしてしまう。これをなんとしても改善したかった」

特に、六本木アークヒルズサウスタワー店は地上20階・地下3階の複合オフィスビルの地下1階にあり、昼時には上層階のオフィスフロアから大量の顧客が来店し、長い行列を作る。注文までの待ち時間は、顧客満足度の向上と売上アップに向けて最も解消すべき課題だった。

そこで導入したのが、スマートフォンを活用した新たなオーダリングシステムだ。

顧客が自分のスマートフォンから欲しい商品を選んで注文・決済を行い、調理が完了した段階で通知を受け、行列に並ぶことなく商品を受け取れる「スマートオーダー」システムを、Showcase Gig(ショーケース・ギグ、本社:東京都港区)と共同で開発した。6月26日から六本木アークヒルズサウスタワー店で運用を開始している。

同システムでは、近距離無線通信のBeaconを使い、顧客の来店検知やスタンプの付与、クーポンの配信なども可能だ。スマートフォンによる注文・決済の仕組みと合わせて、「より効率的でスマートな消費体験をお客様に提供する」。

月刊テレコミュニケーション2014年8月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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