三井不動産レジデンシャルがIoTで目指す“スマートマンション”とは?

IoT(Internet of Things)を活用してビジネスを強化する動きが活発になっているが、三井不動産レジデンシャルはIoTを駆使して、マンションの付加価値向上と省エネの二兎を追うサービスを開始した。

居住者のライフスタイルに合わせた楽しみを提供しつつ、省エネも実現する――。

多種多様なモノがインターネットにつながる「IoT」を活用して“一石二鳥”を狙った分譲マンションが2013年12月に出現した。三井不動産レジデンシャルが開発した分譲マンション「パークタワー西新宿エムズポート」(東京・新宿)がそれだ。

このマンションでは、電力需給の逼迫が予想されると、居住者にレストランやアウトレットショップなどが優待料金で利用できるサービスを提供して、外出を呼びかける。居住者は自住居の電力を使用しない分、部屋で過ごす場合に比べて電力使用量を抑えられる。電気料金も抑えられ、かつマンション全体の電力ピークカットに協力もできる仕組みだ。

居住者にこうした価値をもたらし、省エネへといざなうのはIoTだ。居住者の電力利用データを把握・分析するクラウド型のHEMS(Home Energy Management System)を採用している。M2M技術を用いて、エアコンや洗濯機など居住者が利用している家電のエネルギーデータをクラウドに送る。家庭の電力使用データはいわばビッグデータだ。クラウドがそのビッグデータを分析する。

HEMS
電力需給の逼迫が予想されると、商業施設の優待サービスを表示し、マンションの外で過ごすように促す

「キッチンの消費電力や洗濯機を回す回数を分析すると、居住者のライフスタイルや家族構成が推定できます」と同社・市場開発部商品企画グループ主査の町田俊介氏は話す。分析結果をもとに、居住者のライフスタイルや嗜好に合致するサービスを提供。同時に、居住者を省エネ行動へ誘導する。

三井不動産レジデンシャル 市場開発部 商品企画グループ 主査 町田俊介氏
三井不動産レジデンシャル 市場開発部 商品企画グループ 主査 町田俊介氏

月刊テレコミュニケーション2014年5月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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