NTTドコモが6月下旬に開始するのを皮切りに、国内でもいよいよVoLTE時代が幕を開ける。
Voice over LTEの略であるVoLTEはその名前の通り、LTE上で提供されるVoIPサービスのことだ。新しいサービスだけに、通信事業者からすれば従来サービスとはいろいろと勝手が違うはずだが、監視・分析のためのモニタリングソリューションもその1つだ。
通信事業者向けモニタリングソリューションを提供するエンピレックスで、プロダクトハウス テクニカルサービスディレクターを務める大和田哲氏に、VoLTE時代のモニタリングについてワイヤレスジャパン 2014の会場で聞いた。
ワイヤレスジャパン 2014のエンピレックスブース |
大和田氏によると、VoLTEのモニタリングに利用できるソリューションは「モバイル系」と「電話系」に大別できるが、いずれも十分な監視・分析は行えないという。
モバイル系の短所は、パケットベースでモニタリングするため、あるコールの品質はどうだったかなど、アプリケーションベースでの監視・分析には向いていない点にある。一方、VoIPのモニタリングを目的にした電話系の課題は、そもそもモバイルネットワーク用に作られていないこと。LTEなどのモバイルネットワークにおいては、特有のヘッダがパケットに付加されるが、これに対応していないためVoLTEをしっかりモニタリングできない。
対して、エンピレックスのモニタリングソリューションはこうした欠点がなく、VoLTEにも最適なため、VoLTE関連の引き合いが非常に多くなっているという。
|
エンピレックス製品のモニタリング画面 |
同社のソリューションは、ネットワークの監視・トラブルシューティングを行う「E-XMS」、KPIやBI分析、レポートツールの「IntelliSightアナリティクス」、パフォーマンス管理やアラームを担う「IntelliSightダッシュボード」で構成され、既存のモニタリングシステムとの組み合わせも可能。また、スクリプトベースで顧客自身でカスタマイズを行い、独自の統計情報を取得することもできるという。