富士通が広域ネットワーク向けのSDN新製品

富士通は2014年5月9日、SDN(Software-Defined Networking)技術を使った広域ネットワーク向けの仮想化製品を発表した。同社は2013年にSDNに関する取り組みを発表し、データセンター、広域ネットワーク、スマートデバイスの特性の異なる3つの領域に対してネットワーク仮想化製品を提供するとしていた。すでに13年から提供を行っているデータセンター向けに続き、広域ネットワーク向けの製品として「Virtuora(バーチュオーラ)シリーズ」の提供を6月から始める。

データセンター向けに続き、広域網向けのネットワーク仮想化製品を提供する

Virtuoraシリーズは、SDNならびにNFV(Network Functions Virtulization)に対応するソフトウェア製品で、今回は3つの製品が発表された。

2つの新製品と、既存製品1種の機能強化を発表した

1つは、仮想ノードソフトウェアの「Virtuora SN-V」。パケット層向けの製品で、SDN対応の仮想ネットワークを構築するためのものだ。富士通では今後、トランスポートやサービス制御といった、パケット層以外の領域に向けた製品も提供する計画という。

2つ目は、広域網向けの仮想ネットワークコントローラ「Virtuora NC」。新たに構築される仮想ネットワークと、既存のIPネットワークを統合的に運用管理・制御するソフトウェアである。

もう1つ、富士通が従来から提供してきたネットワーク品質管理ソフトウェア「ProactnesⅡ QM」のアップデートを行い、仮想ネットワークプロトコル(NVGRE、Q-in-Q)をサポートする。Virtuora NCtと連携し、仮想ネットワークの運用を効率化する。

富士通・ネットワークビジネス戦略室・SDN推進室長代理の浦田悟氏(左)と、ネットワーク・ソリューション事業本部 プリンシパル プロダクト プランナの高橋英一郎氏

これらの製品提供により、ソフトウェアで柔軟に制御・管理できる広域ネットワークの実現を通信事業者やサービスプロバイダに提案。富士通・ネットワークビジネス戦略室・SDN推進室長代理の浦田悟氏は、「ソフトウェア制御によって、早期に、オンデマンドなネットワークサービスを提供できるようにする。加えて、エンドユーザーの体感品質も向上させていきたい」と話した。

また、上記3種の製品の具体的な特徴としては、従来のネットワークとは大きく異なる仮想ネットワークの運用・管理を効率化し、かつ信頼性を担保することに重点が置かれているという。例えば、物理インフラ上で障害が発生した場合に、どの仮想ネットワークがその上で運用されているのかを自律的かつ迅速に把握、自動で経路切替を行ったりする機能を備える。加えて、「既存ネットワークからのマイグレーションを容易にする」ことに配慮している点も特徴と、ネットワーク・ソリューション事業本部 プリンシパル プロダクト プランナの高橋英一郎氏は強調した。

販売目標は、16年度までの3年間で売上120億円。今後、「16年ごろにトランスポート層向けの製品などを出していく」予定だ。

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