「デルの中でネットワーク製品は、どういうポジションにあるのか。我々はネットワークは、エンタープライズ製品のハブであると捉えている。ハブだから、サーバーやストレージを販売するときに、一緒にネットワーク製品も購入されている。しかし今回発表するNシリーズによって、ネットワークからビジネスを創出できるよう、ポジショニングを強化していく」
デルは2014年3月6日、キャンパスネットワーク向けスイッチ「Dell Networking Nシリーズ」を発表。同社エンタープライズソリューションズグループ ネットワークセールスグループ統括部長の原正樹氏は新製品について、こう意気込んだ。
米Dell Dell Networking プロダクトマーケティング・ディレクター ジョナサン・セクラー氏 | デル エンタープライズソリューションズグループ ネットワークセールスグループ統括部長 原正樹氏 | デル エンタープライズソリューションズグループ ネットワークプロダクトセールス部長 草薙伸氏 |
キャンパスネットワーク向けのスイッチ製品としてデルは従来、PowerConnectシリーズを提供してきたが、Nシリーズはこれを刷新するもの。デルでは、キャンパス向けのPowerConnectとデータセンター向けの旧Force10 Networks系製品の2系統のスイッチをラインナップしているが、「PowerConnectは、革新があまり進んでいなかったのが実状。これまではForce10系に投資を集中していた」とネットワークプロダクトセールス部長の草薙伸氏は話した。
しかし、いよいよキャンパス向けにも大型投資を実施。今回、満を持してキャンパス向けスイッチをリニューアルするという。
Dell Networking Nシリーズの概要
OpenFlowに対応するなどOSを大幅リニューアル
コモディティ化が進むスイッチ製品においては、差別化がだんだんと難しくなっているが、米Dellのプロダクトマーケティング・ディレクターであるジョナサン・セクラー氏は「どこで差を出すかというと、OSやコンフィギュレーション」と説明。その言葉通り、NシリーズではOSやコンフィギュレーションに関して、大幅な変更が加えられたという。
Linux OSベースの新OS「Dell Networking OS 6」は、新たにMLAG(Multi-chassis Link Aggregation)をサポート。STP(Spanning Tree Protocol)を使うことなく、アクティブ-アクティブのループフリー冗長構成が可能で、増大し続ける広帯域化への要求に応えるという。
また、Nシリーズは12台までのスタッキングが可能だが、スタッキングと比較したMLAGのメリットについて、草薙氏はこう紹介した。「スタッキングの弱点は、ファームウェアのアップデート時にネットワークを止めないといけないこと。一方、MLAGの場合、1台ずつアップデートできるので、結果として無停止を実現できる」
さらに、シスコ独自のプロトコルであるRPVST+やCDPなどをサポートし、相互接続性を強化。PowerConnectシリーズでは対応していなかったOpenFlowもサポートした。OpenFlowのバージョンは1.0で、安定板である1.3には「年内に対応予定」(草薙氏)だという。
このほか、PBR(Policy-based Routing)のサポート、USBキーを挿入するだけでの自動設定、CLIとGUIによる管理者インターフェースなども特徴となっている。